霎時施(こさめ ときどきふる)

<黒部川扇状地から後立山連峰を望む>

10月28日から七十二侯は「霎時施(こさめときどきふる)」で、二十四節気「霜降」の次侯となります。霎(こさめ)は小雨ではなく通り雨で、時雨(しぐれ)のことです。一雨毎に気温が下がり、冬が近づく頃という意味です。一雨毎に気温が一度下がるので「一雨一度」とはよく言ったものです。

秋晴れの下、黒部川河川敷から上流を望むと初冠雪を戴いた後立山連峰が白く輝いています。富山県と長野県の境をなしている連山です。左から白馬岳(2932m)、旭岳(2867m)、清水岳(2603m)の名座で、さらには五竜岳(2814m)、鹿島槍ヶ岳(2889m)と連なっています。いずれも黒部川を育む名座です。

秋時雨は、冬支度を始める合図で、黒部川の支流ではサクラマスの産卵が始まっています。黒部峡谷鉄道の最終駅である標高600mの欅平付近は、今が紅葉真っ盛りです。黒部峡谷の紅葉前線は、宇奈月温泉へと約10日間かけて降りてきます。山間の出湯を取り囲むは山々は、いよいよ錦繡の時を迎えます。