染付芙蓉手輪花向附

<香箱蟹>

香箱蟹は、「活け蟹会席」「雅膳」の一皿です。追加料理としても人気があります。津合蟹の雌で小さいため丁寧に身を抜き甲羅に盛り付けます。旨みが凝縮された味噌とオレンジ色の内子は、濃厚な味わいで地酒と最高の組み合わせになります。つぶつぶの卵は外子で特別の食感が味わえます。雪の峡谷を愛でながらの蟹三昧のシーズンとなります。

季節のうつわは「染付芙蓉手輪花向附」です。芙蓉手は、万暦年間(1573~1620)景徳鎮民窯で焼かれた染付磁器の様式です。明清交代による混乱で、1659年にオランダ東インド会社から伊万里に大量注文が入ります。ほとんどが芙蓉手で、この輸出専用の様式は、伊万里焼の様式を大転換させる契機となります。