色絵南天絵向附

<南天の赤が美しく映える>

師走も半ば過ぎて、1年で最も日が短い「冬至」を迎えます。冬の真ん中、真冬の始まりです。この日を境に太陽が復活し始めます。一陽来復で幸運に向かうという意味も含まれています。

この時期、年末年始の行事が立て込んで1年で最もあわただしくなります。寒くなると富山湾の魚の身が引き締まり、白身魚も美味しくなります。延楽オリジナルの煎り酒に、山葵をといてお召し上がりください。

 季節のうつわは「色絵南天絵向附」です。雪の日は、艶やかな色絵の器が映えます。 

南天は難を転じるに通じることから縁起物の木として用いられてきました。赤い色には厄除けの力があると信じられ、縁起のよい植物として愛されてきました。

乃東生(なつかれくさしょうず)

<乃東(なつかれくさ)の花>

12月22日から二十四節気は「冬至」に入り、1年で最も昼が短い日です。「冬至、冬なか冬初め」といわれるように二十四節気では冬の真ん中、真冬の始まりとなります。この日を境に太陽が復活を始めます。故に冬至を「一陽来復」と言い、物事が良い方向に向かうとされます。

七十二侯は、「乃東生(なつかれくさしょうず)」で、二十四節気「冬至」の初侯となります。乃東(なつかれくさ)は、冬に芽を出して夏に枯れる夏枯草(かごそう)のことで、この芽がでる頃という意味です。

夏枯草(かごそう)とは靫草(うつぼぐさ)のことで、宇奈月の山野に自生するシソ科の多年草です。花は、紫色で直立した茎の先端の密な円柱状の花穂につきます。この枯れた花穂が夏枯草で、古くから漢方薬として用いられています。冬至の初侯「乃東生(なつかれくさしょうず)」は、夏至の初侯「乃東枯(なつかれくさかるる)」と対になっています。雪が積もった大地では、乃東(なつかれくさ)が芽を出そうとしています。