宇奈月国際会館セレネ大ホールでは、バイオリニストで東京芸術大学の澤和樹学長率いる弦楽四重奏団「澤カルテット」の結成30周年記念演奏会が9月26日行われた。メンバーは第2バイオリン・大関博明さん、ビオラ・市坪俊彦さん、チェロ・林俊昭さん。30年メンバーの交代はなし。息の合った演奏で、一際、澤学長のバイオリンの音色には魅了される。この演奏会は、昨年の七夕コンサート以来である。昨年は奥様の蓼沼恵美子さんのピアノも加わった。レンガ積みのセレネホールはクヮルテットにふさわしい空間を創出してくれる。まさに至福の時である。
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草露白(くさつゆ しろし)
9月8日から二十四節気は「白露」となる。朝晩の気温差が大きくなると露が降りるようになる。暦便覧には「陰気ようやく重なり露凝って白し」と。夏の気配を残しつつも朝夕は涼しくなり、草花に朝露がつくようになるという意味。
七十二侯は「草露白(くさのつゆ しろし)」で、「白露」の初侯。草に降りた露が白く光って見える頃という意味。早朝に僧ヶ岳の登山道を行くと、草露に足下が濡れる。白露に濡れた紅紫色の秋桐や釣舟草が心に残る。
昨年、黒部峡谷・セレネ美術館では、令和記念特別展として田渕俊夫画伯の至極の日本画展を開催した。出品作品の中に黒部川扇状地をとらえた大作「大地」があった。1998年の院展出品作である。残雪が未だ多い後立山連峰。新緑の美しい山の端。田圃に水が張られた田植え時期。5月末の黒部平野の風景である。黒部の生命の息吹が最も感じられる季節に、ヘリコプターを使って扇状地を取材した作品である。
今年のセレネ美術館では、黒部の水をテーマに創作された田渕画伯の作品が常設展示されている。芸術の秋にふさわしい作品群である。
シアター・オリンピックス
8月23日から行われている、国際的な舞台芸術の祭典「第9回シアター・オリンピックス」は、ロシアとの共同開催で9月23日まで行われる。今年から宇奈月国際会館「セレネ」は、鈴木忠志氏の粋な計らいによって会場の一つに加えられた。
千住真理子リサイタル
8月22日、宇奈月国際会館セレネの大ホールで、バイオリニスト千住真理子さんのリサイタルが行われた。コロナ禍にもかかわらず、主催者側のあらゆる手を尽くした感染防止策のもと無事開催された。ストラディヴァリウスの深みのある美しい情熱的な音色が会場に響いた。千住さんの愛器ストラディヴァリウスは、1716年に製作され「デュランティ」の愛称で知られている。約300年間誰にも弾かれずに眠っていた幻の名器である。
最初の舞台挨拶で「新型コロナによる度重なる公演中止が続き、今回再び舞台に立てた事が夢のようです。一曲一曲心を込めて演奏します。」とその言葉が聴衆の心を捉えた。コロナが収束し、再びセレネホールでの演奏会を心から願うものである。
ダイヤカット輪花五寸皿
夏の前菜は、冷やして涼やかに出します。夏野菜と蒸し鮑の冷し前菜です。
季節の器は「ダイヤカット輪花五寸皿」です。細やかにダイヤカットした線が、涼しさを感じさせます。
カッシーナ「キャブアームチェアー」
黒部峡谷・セレネ美術館の隠れた名品にマリオ・ベリーニがデザインした「キャブアームチェアー」があります。
背もたれからアームに至るカーブは美しくデザインされ、肘の掛け心地は抜群です。カッシーナ独自の厳しい基準をクリアーした最高級の鞣し革は使い込むほどに身体に馴染みます。
27年間使用していますが、古さが感じられません。同じものがニューヨーク近代美術館に所蔵されています。
背面の田渕俊夫先生の院展出品作「放水」と非常にマッチしています。
木葉形硝子皿
初夏における富山湾の旬の食材は、栄螺、太刀魚、富山海老、石投(いしなぎ)。多くの種類の美味しい魚が取れる富山湾は、天然の生簀と呼ばれる所以です。
季節の器は、「木葉形硝子皿」です。蕗の葉を形どった硝子の器です。
黒部ダムの観光放水
黒部ダムの観光放水が6月26日から始まりました。高さ186mの壁から毎秒7.5トンずつ合計15トンの水が吹き出し豪音と共に黒部川に流れ落ちます。10月15日まで毎日実施されます。
黒部峡谷・黒薙
6月1日より黒部峡谷鉄道の営業が開始されます。例年より1か月遅れの運転です。 今は、新緑が最も美しい時期です。とりわけ黒部峡谷・黒薙駅から見る後曳鉄橋は萌黄色の木々に包まれ、その直下には深く切り立った峡谷があります。黒薙は、宇奈月温泉から7km上流に位置し、黒部峡谷鉄道の宇奈月駅から3つ目の駅で所要時間は20分です。
深い峡谷を有する黒薙川は、黒部川の最大支流で清冽で豊富な雪解け水が激流となって流れています。上流には2つの大きな谷があります。一方は犬ケ岳、長栂岳、朝日岳を源流とする北又谷と、もう一方は雪倉岳を源流とする柳又谷に別れ、いずれも後立山連峰の名峰の雪解け水が集まって、黒薙川となります。
宇奈月温泉の源泉は、黒薙温泉で温泉井戸は黒薙川の両岸にあります。ここには鄙びた旅館1軒があり、源泉を守ってきました。この川沿いには巨大な岩石をそのまま利用した大露天風呂があり、温度調整は川の雪融け水を引いて行います。大自然に包まれた野趣あふれる黒薙温泉は、隠れた人気スッポットです。女性専用の露天風呂は旅館内にあり、切り立った峡谷と激流を湯船に浸かりながら肌で感じることができます。まさに別天地です。
ご希望であれば延楽館主がガイドします。要予約です。
延楽ウォーク(大原台山頂コース)
延楽ウォークの大原台山頂コースは、山野草の解説を聞きながら、写真を撮影しながらの片道2時間コースです。
途中のスノーパークでは、鶯の鳴き声を聞きながらワラビ等の山菜を摘みが体験できます。大原台山頂には、ブロンズ像では日本一の大きさを誇る平和観音像が建立され、世界の安寧を願っております。
はるか彼方に雪を頂いた黒部の山々を望み、眼下にはエメラルドグリーンに彩られた宇奈月ダム湖を望むことができます。
黒部の春を愛でる延楽ウォークは、事前予約制になっています。