祥瑞橘文向付

<吉祥文様の向付>

雅膳の2泊目の千代口は、白海老と唐墨です。
白海老は醤油ではなくて、塩分を抑えた旨味出しを使います。
ほど良い旨味と柔らかな塩分の出汁は、白海老の繊細な甘みを引き出します。

季節のうつわは「祥瑞橘文向付」です。
橘は、常緑樹で葉は年中元気よく生い茂ることから、長寿や子孫繁栄の願いを意味する吉祥文様となります。

色絵丸紋胴紐小鉢

<鮮やかな赤丸>

小鉢として染付、古染付、祥瑞の文様や色合いが、よく使われます。
滞在のお客様には、鮮やかな色絵の小鉢を使って雰囲気を変えます。
そのうつわの華やかさで料理が映え、同じ宿で連泊することの楽しみが増えます。

季節のうつわは「色絵丸紋胴紐小鉢」です。
色絵磁器は、陶磁器の釉面に上絵付した加飾磁器で、赤絵、錦手、五彩、十錦手、粉彩、豆釉、染錦手などを総称するものです。
色絵磁器では、色絵の呈色を良好に保つために、白磁素地の純白さが要求されました。

古伊万里金襴手蘭人文蓋付碗

<蘭人文は皿などにもみられる>

雅膳の一皿は、春の香りの若竹煮です。
富山県内産の柔らかな若竹と若芽の煮物です。
宇奈月の山では山菜が芽吹き、タラの芽、蕗、こごみ等が春の香りを届けます。

季節のうつわは「古伊万里金襴手蘭人文蓋付碗」です。
金襴手とは色絵陶磁器に金彩を焼き付ける装飾法で、中国北宋時代の11世紀に定窯で始められました。
その後、明時代の嘉靖年間になって、景徳鎮民窯で絢爛たる金襴手を完成させました。
その作風により、色絵金襴手、赤地金襴手、萌黄金襴手、白地金襴手、瑠璃地金襴手、三彩地金襴手に分類されます。

わが国では、元禄年間(1688-1704)に伊万里焼が景徳鎮窯の金襴手を手本にして、金泥を色絵素地に焼き付ける意匠を開発しました。

九谷赤絵金彩七賢人平皿

<繊細で緻密な書き込みが特徴の九谷赤絵金彩>

富山湾から水揚げされる春の旬魚は、種類が豊富です。
今が旬の白海老、富山海老、ホタルイカ、アオリイカ、ヒラメ、ヒラマサ。そのほか細魚、メバル、ブダイ、白海老、のど黒等々。
新鮮なお造りは、延楽特別醸造の醤油と煎り酒でお召し上がりください。

季節のうつわは「九谷赤絵金彩七賢人平皿」です。
九谷赤絵は、弁柄と呼ばれる鉄分を含む赤い顔料を使い、金襴を施して仕上げます。
繊細で緻密な書き込みが特徴で、明治初期に欧米への輸出用として制作されました。
九谷焼の貿易に乗り出した円中組の円中孫平や、パリ在住の林忠正が活躍した時代です。

金彩獅子丸紋向付

<独特な色彩センス>

雅膳の一皿は、強肴で白海老と唐墨です。
繊細な白海老は、特製の出汁で召し上がっていただきます。
合わせる地酒は清都酒造の「勝駒純米吟醸」です。

季節のうつわは「金彩獅子丸紋向付」で、永楽妙全の作品です。
妙全ならではの優しい色彩は、繊細で純白の白海老を引き立ててくれます。

見返花筏蒔絵吸物椀

<朝獲れのはまぐり>

宇奈月の桜の開花は、県内では遅い方です。黒部の山から吹き下ろす風は、冷を含んでいます。山に片栗が咲く頃に、桜の開花が始まり、富山湾の貝類も美味しくなります。

季節のうつわは「見返花筏蒔絵吸物椀」です。お椀の見返りは春です。

染付蕎麦猪口

<味わいのある蕎麦猪口>

富山湾の春の味覚といえばホタルイカと白海老です。ホタルイカは連日豊漁で市場が賑わっています。釜揚げにするとたっぷりの内臓で、大きく膨らみます。お酒のあてに酢味噌でいただきます。地酒、純米吟醸「林」が合います。

季節のうつわは「染付蕎麦猪口」で、永楽保全の作品です。いい色合いの染付で小鉢替わりに使います。

染付祥瑞小鉢

<白海老と唐墨>

宇奈月温泉周辺の桜が開花すると、富山湾の白海老漁が活気づいてきます。大量に獲れるのは、富山湾奥部に位置する小矢部・庄川海谷、富山市岩瀬沖の神通海谷および水橋沖の常願寺海谷の3カ所だけです。海谷とは海底の峡谷のことで、小型底引き網でその壁を掻き上げるように操業します。

雅膳の一皿は、白海老と唐墨の取り合わせです。合わせるお酒は、桝田酒造の「満寿泉大吟醸」です。

季節のうつわは「染付祥瑞小鉢」で永楽妙全の作品です。落ち着いた呉須の色合いは、白海老と唐墨を引き立ててくれます。

輪島塗・青貝千鳥波蒔絵銘々皿

<青貝の輝きが美しい螺鈿>

才巻海老が旬を迎えます。才巻海老とは、車海老の小型のもので、味が濃くて天麩羅に最適です。

季節のうつわは「輪島塗・青貝千鳥波蒔絵銘々皿」で、 螺鈿(らでん)が美しく輝きます。使用される貝は、夜光貝、白蝶貝、黒蝶貝、川真珠貝(青貝)、鮑、阿古屋貝(真珠貝)などがあります。輪島の復旧、復興を心より願っています。

染付山水輪花向付

<白海老と湯葉との取り合わせ>

匠膳の強肴は、今が旬の白海老の「東寺巻」です。白海老と湯葉の両方の甘味が絶妙に溶け合います。 白海老は、淡紅色を帯びた透き通るような姿なので、富山湾の宝石と呼ばれています。

季節のうつわは、藍青色の「染付山水輪花向付」です。コバルトブルーの色合いに白海老がよく合います。