
信濃撫子(シナノナデシコ)は、宇奈月の高山の礫地に生育するナデシコ科の多年草です。
葉は線状倒披針形で先端は尖るかまたは鈍頭です。基部は細くなって葉柄につらなりますが葉柄は短く、各節に対生して付きます。頂部で茎が分岐して、各分枝に集散花序が付き、紫紅色の小花が開花します。
和名は、北アルプスの長野県側に多く見られることに由来します。
信濃撫子(シナノナデシコ)は、宇奈月の高山の礫地に生育するナデシコ科の多年草です。
葉は線状倒披針形で先端は尖るかまたは鈍頭です。基部は細くなって葉柄につらなりますが葉柄は短く、各節に対生して付きます。頂部で茎が分岐して、各分枝に集散花序が付き、紫紅色の小花が開花します。
和名は、北アルプスの長野県側に多く見られることに由来します。
深山大文字草(ミヤマダイモンジソウ)は、宇奈月の亜高山の湿った草地や岩場に生えるユキノシタ科の多年草で、大文字草の高山型変種です。
花径は、大文字草より小さく、葉はすべて根生し長い柄があります。葉は腎円形で長さは10cm前後で縁は掌状に中裂します。茎は分岐せずに集散花序に白色の花をつけます。花弁は上側の3弁は長く下側の2弁が長くなります。
和名の由来は、花が「大」の字に似ることからきています。
岩菖蒲(イワショウブ)は、宇奈月の亜高山の湿地に自生するユリ科の多年草です。
根茎は短くて、剣形の葉は、茎の下部から直立して出て、先は尖っています。細い茎の総状花序に白色の花をつけます。花被片は6個あり、長楕円形です。蕾の時に、紅紫色になることがあります。
和名は、葉の形が菖蒲に似ていることに由来します。
草紫陽花(クサアジサイ)は、宇奈月のやや湿った林内や山道沿いに生えるユキシタ科の多年草です。
地下茎は木質化して硬く、茎はその先から毎年出て直立し、冬には地上部は枯れます。 葉は互生し、長楕円形で縁には鋸歯があります。
茎頂に集散状の花序をつけ白色または淡紅紫色の小さな両性花の集団をつけます。 花序の周りには花弁状のガク片が3個ある装飾花をつけます。
岩銀杏(イワイチョウ)は、宇奈月の亜高山の湿地帯に自生するミツガシワ科の多年草です。
根茎は太く横に這って群生します。葉は根出して、腎形で光沢があり肉厚で縁には細かな鋸歯があります。夏山シーズンになると花茎を伸ばし先端に10個程度の白色の花を咲かせます。花冠は漏斗形で深く5烈し縁がやや波立っています。
和名は、葉の形が銀杏に似ていることに由来します。
丁子菊(チョウジギク)は、宇奈月の深山の湿地に自生するキク科の多年草です。 地下茎を伸ばし、40cm前後の丈を持つ茎を叢生させます。
葉は、長楕円状披針形で先は次第に細くなり対生し、縁には浅くて鋭い鋸歯があります。茎頂の葉腋から花柄を伸ばし頭状花を散房状につけます。花柄には母子草のように白い毛が密生し、黄色の管状花をつけます。
黒部峡谷・下の廊下の沢沿いでもよく見られます。
小金鈴花(コキンレイカ)は、宇奈月の亜高山の岩場に生える、オミナエシ科の多年草です。
地下茎は横にはい、匍匐枝(ホフクシ)を出して増えます。匍匐枝とは、地上近くを這って細長く伸び、そのさきに芽を付ける茎のことで、その節から新しい茎が伸び増えていきます。葉は対生し、裂片には大きな欠刻と鋸歯があります。茎頂には黄金色の小花を散状花序に多くつけます。
黒部峡谷・下の廊下の岩場でもよく見かけ、別名、白山女郎花(ハクサンオミナエシ)ともよばれています。紅葉の下の廊下を歩いていると、オミナエシ科の独特のに匂いがします。和名は、白山に多く見られることに由来します。温泉街周辺では女郎花(オミナエシ)の白花の男郎花(オトコエシ)が咲いています。
雌宝香(メタカラコウ)は、雪解け水が流れている沢沿いに自生するキク科の多年草です。 蕗のような大きな葉が特徴で、冷たい水が流れている湿地を好みます。大形のオタカラコウと同じ環境で生育します。
根茎は太く、茎は直立して高さは60~100cm位になります。根出葉は長柄のある心臓状三角形で、茎葉は3個あり上のものほど小さくなり、縁に鋭い鋸歯があります。
茎の上部に頭花を総状につけ、黄色の頭花は1~3個の舌状花と6~7個の両性花から成り立っています。頭花は下部から上向きに咲き上がります。和名はオタカラコウより小形で草姿が優しいことに由来します。
高嶺松虫草(タカネマツムシソウ)は、宇奈月の高山に生えるマツムシソウ科の越年草です。マツムシソウの高山変種で、基本種と比べると、茎の長さは短く頭花は大きくなります。別名、深山松虫草(ミヤママツムシソウ)ともいいます。
長い柄を持った根出葉があります。葉は対生し羽状に分裂し、裂片はさらに裂けるものがあります。 長い花柄の先端に、1個の淡紫色の頭花をつけます。総苞片は線形で2列に並びます。苞とは蕾を包むように葉が変形した部分で、蕾が開いてから花の基部に残ります。花序全体の基部を包む苞が総苞で、個々の総苞を総苞片といいます。
頭花の周辺にある小花は、5裂した外側の花冠裂片が長く伸びます。頭花の中心部分の小花は、筒状で等しく5裂する花冠をもちます。この花には、高山蝶がよく集まります。白馬岳一帯の宇奈月側の風衝岩屑には、淡紅色や白色の種も生育しています。
金水引(キンミズヒキ)は、宇奈月の山路の縁などの草叢に自生するバラ科の多年草です。
葉は互生し、羽状複葉で小葉は不揃いで、大きな托葉があります。花は黄金色で茎の上で枝分かれして、総状花序を付けます。和名は水引(ミズヒキ)とよく似て、しかも黄金色であることに由来します。 ミズヒキは、タデ科で金水引はバラ科なので、全く種類が異なります。
9月下旬ごろ花が終わり種子になります。 その種子には鉤状のとげがあり、これが動物の体につき広範囲にわたり分布されます。 金水引は、別名龍牙草と呼ばれ、漢方では口内炎や下痢止めに効くとされます。
宇奈月の樹林内では、小形の朝鮮水引も自生します。