備前手付小向付

<ふぐの白子塩焼き>

冬型の気圧配置が強まると、二十四節気「雨水」が近づいても宇奈月は雪となります。滞在のお客様が多いこの時期、ふぐは欠かせません。津和井蟹、寒鰤、のど黒の料理にふぐが加わります。先付は、白子塩焼きです。やはり熱々のふぐの白子は格別です。

季節のうつわは「備前手付小向付」です。備前焼は岡山県伊部を中心に、平安末期から連綿と焼き上げられている焼き締めの陶器で、伊部焼とも呼ばれています。中世六古窯の一つで、江戸初期以前の物は古備前と呼ばれています。釉薬を一切使わず酸化焔焼成によって固く焼しめられ、窯変によって生み出される模様が面白い。