大聖寺伊万里向付

<染錦手伊万里の本歌取り>

ホタルイカ漁も終盤になってきました。形も大きなものが目立つようになりました。お湯にくぐらせると形が丸みを帯びてきます。ボイルした蛍烏賊の内臓には格別の旨味があります。雅膳の一皿は、蒸し鮑と蛍烏賊の酢の物です。

季節の器は、「大聖寺伊万里向付」で、滝口加全の作品です。大聖寺伊万里焼とは明治4年の廃藩置県により、大聖寺藩の支援を受けられなくなった九谷焼の窯元が生き残り策として、当時人気が高く高額で取引されていた有田の染錦手伊万里を写しました。古伊万里の傑作である有磯文様、赤玉文様、五艘船文様を描いた鉢や菊型皿、姫皿等、その特徴をよく捉え、国内外で人気の陶器となりました。

滝口加全は、京都で12代永楽善五郎(和全)に師事し、中国古陶磁、仁清、乾山、交趾の写しを得意とし、九谷焼の指導をします。和全より和と加賀の加にちなむ「加全」の号を授かりました。2代目加全もすぐれた作品を残しています。北陸の旧家には大聖寺伊万里が多く残っています。