虎杖(イタドリ) タデ科

<草地に群生する>

虎杖(イタドリ)は、宇奈月の日当たりのよい山野に生えるタデ科の多年草です。 地中に根茎が長く伸び、木質化し、各節から芽を出し、中空の太い茎を伸ばします。

葉は広卵形で先は細く尖り、基部は浅い切形で互生します。 夏から秋にかけて、上部の葉腋から花穂が伸び、複数状に白色の小花を付け、花弁がなくて萼片があります。春先の芽は、山菜として食されます。

黒花引起し(クロバナヒキオコジ) シソ科

<濃紺の小さな花が集まっている>

黒花引起し(クロバナヒキオコシ)は、宇奈月の林道沿いの草地に生える、シソ科の多年草です。 日本海側に多く分布し、日本の固有種です。

茎は直立して、シソ科特有の方形で、高さ50~150cmになります。葉は対生し、三角状広卵形で 縁に鋸歯があり、先は尾状に尖っています。

茎頂に円錐花序を作り、5mm程の暗紫色の小花をたくさんつけます。 花はあまり目立ちませんが、色が黒に近い濃紺なので、山野草の中では珍しい色です。 花冠は長さ5mm、合併で二唇形となり、下唇が大きくボート型に突出します。

引起しは、強烈な苦みがあり、弘法大師が瀕死の重病人に飲ませたら起きあがったという伝説から命名され、別名を延命草ともいいます。引起しの仲間には、黒花引起し、亀葉引起し、白山亀葉引起し等の種類があります。

晒菜升麻(サラシナショウマ) キンポウゲ科

<純白の花が美しい>

晒菜升麻(サラシナショウマ)は、宇奈月の低山から、亜高山帯の沢沿いに生える、キンポウゲ科の多年草です。

根出葉は大きく、長柄があって、1~2回3出複葉で、小葉が多くあります。早いものは9月の初めから、長い総状花序を付けます。花弁は白色で、山鳥兜と同時期に咲き出します。沢沿いに山鳥兜の群青と晒菜升麻の純白のコントラストが美しく映えます。

名前の由来は若葉を煮て水で晒して食べるところからきています。キンポウゲ科の植物はアルカイロイドを含んでいる毒性の物が多くあります。漢方の升麻は、この地下茎からとり古くから解毒、解熱用として用いられました。

青磁の花入れに鳥兜と生けると、葉の形も見事で最高の取合せです。

深山莢蒾(みやまがまずみ) スイカズラ科 

<光沢のある実>

深山莢蒾(みやまがまずみ)は、宇奈月の山地の明るい樹林内や林縁に生育するスイカズラ科の落葉低木で、高さが4mになります。若い枝は緑色でほとんど無毛です。

葉は対生し、托葉が無く広倒卵形で葉脈の走りは端正です。ガマズミに似ていますが葉先は長く伸び尖っています。花期は5~6月で、枝の先に1対の葉と共に散房花序をつけ、白色の多数の花を密に付けます。雄蕊は長く花冠から突き出ています。

果実はやや大きく、9月末頃から赤熟します。秋の照葉と赤い実が山路を美しく彩ります。

御山竜胆(オヤマリンドウ) リンドウ科

<高山型で小さい>

御山竜胆(オヤマリンドウ)は、宇奈月の亜高山帯の草原や湿地に生える、リンドウ科の多年草で、日本の特産種です。

葉は、広披針形で中央脈がはっきり出ていて、互生します。根茎は太く、株から複数の茎が直立し、高さが60cmぐらいになります。

花は、濃紫色で茎頂に複数付けます。花弁は5裂し、わずかに開き細長くすぼまった形です。

釣鐘人参(ツリガネニンジン) キキョウ科

<花柱が長い釣鐘人参>

釣鐘人参(ツリガネニンジン)は、宇奈月の山野に生える、キキョウ科の多年草です。

茎は、分岐せず直立し高さが1mぐらいになり、切るとキキョウ科特有の乳液が出てきます。根出葉は円心形で、茎葉は長楕円形で3~4個が輪生します。

花は、茎上部の節から、輪生する小枝の先に数個下向きに開き、全体が円錐花序になります。花冠は2cm位の釣鐘状になり先端はやや広がり、淡紫色で先は5裂になっています。萼片は糸状で鋸歯があり、花柱が花冠から突出しています。

白山菊(シラヤマギク) キク科

<草姿が大きい白山菊>

白山菊(シラヤマギク)は、宇奈月の山地の道傍や林縁などに生える、キク科の多年草です。

野菊の中でも茎の高さは高く、約1.5mぐらいになります。葉は洋紙質の三角形で互生します。頭花は茎頂に散房状につき、周囲の舌状花は白色で、数が少なく中心の筒状花は、黄色で多くあります。

別名「婿菜(ムコナ)」で草姿が大形なので、「嫁菜(ヨメナ)」に対しての名前です。

深山秋の麒麟草(ミヤマアキノキリンソウ) キク科

<秋の麒麟草より小型>

深山秋の麒麟草(ミヤマアキキリンソウ)は、宇奈月の深山に生えるキク科の多年草です。

茎は太く直立し、高さ20~60cmぐらいで、秋の麒麟草の高山型です。葉は長楕円形で、互生します。頭花は黄色で、枝の先に密集して開きます。別名、黄金菊とも言います。

亜高山帯の山道の縁に多く見られ、一段と秋の深まりが感じられます。

花蓼(ハナタデ) タデ科

<草叢で可憐に咲く>

花蓼(ハナタデ)は、宇奈月の山野の林内や、林道沿いに多く見られるタデ科の一年草です。

タデ科の中では、桜蓼(サクラタデ)と共に花が最も可憐で、美しい野草です。 茎の下部は地を這い、分岐が旺盛で草叢を作ります。

葉は互生し、長卵形で先は細くなり尾状に尖っています。花序は細長く伸び、淡紅色の小さな花をつけます。

普段見慣れている風景の中にも、自然の魅力が多く隠されています。

犬蓼(イヌタデ) タデ科

<別名アカノマンマ>

犬蓼(イヌタデ)は、宇奈月の山道の縁や原野などに普通に見られるタデ科の一年草です。花や蕾が赤飯のように見えるところから、別名アカマンマで親しまれています。

茎の基部は、横に這って多く枝分けれして草叢を作ります。茎の先はやや立ち、紅紫色を帯びます。葉は互生し、披針形で葉の両端がとがり、葉先に向かってだんだん細くなります。

春から秋までの長い期間、茎の先から長さ1~5cmの花穂を出し、紅紫色の小さな花被を、密につけます。花の蕚と花冠との区別が形式的にない場合、両者を合わせて花被といいます。

「蓼食う虫も好き好き」の諺にある蓼は、河原に見られる柳蓼のことで、葉に辛味があります。犬蓼は辛味がありません。