
虎杖(イタドリ)は、宇奈月の日当たりのよい山野に生えるタデ科の多年草です。
地中に根茎が長く伸びて木質化し、各節から芽を出し、中空の太い茎を伸ばします。
葉は広卵形で先は細く尖り、基部は浅い切形で互生します。
夏から秋にかけて、上部の葉腋から花穂が伸び、複数状に白色の小花を付け、花弁がなくて萼片があります。春先の芽は、山菜として食されます。
虎杖(イタドリ)は、宇奈月の日当たりのよい山野に生えるタデ科の多年草です。
地中に根茎が長く伸びて木質化し、各節から芽を出し、中空の太い茎を伸ばします。
葉は広卵形で先は細く尖り、基部は浅い切形で互生します。
夏から秋にかけて、上部の葉腋から花穂が伸び、複数状に白色の小花を付け、花弁がなくて萼片があります。春先の芽は、山菜として食されます。
肌寒さが増してくると、富山湾の甘鯛が美味しくなります。秋の山海の恵みと湯葉を使った甘鯛東寺蒸しです。秋分を迎えると夜も少しづつ長くなります。
季節のうつわは「色絵楓葉文蓋向」です。
黒部峡谷では楓の種類が多く見られます。板屋楓、瓜楓、瓜膚楓、麻幹花(オガラバナ)、羽団扇楓、山紅葉など。春の新緑は萌黄色、夏は緑、秋は黄色や赤に、季節によって色の変化を楽しませてくれます。
秋の前菜は、旨い物で盛りだくさんです。食材が豊富なこの時期、実りの秋を味わいたいものです。
盛り付けは黒竹で編んだ籠を用意しました。雅膳の滞在料理の一品です。
季節のうつわは「黒竹小判形籠」です。籠は人の温もりが感じられます。
黒竹の 桿は、初めは緑色で夏を過ぎるとだんだん黒くなり、2年ほどで黒々くなります。その黒竹を細く平らに削いで編み込みます。籠の底には、へぎ目の杉板を使いますので、料理が安定して美しく映えます。
黒花引起し(クロバナヒキオコシ)は、宇奈月の林道沿いの草地に生える、シソ科の多年草です。 日本海側に多く分布し、日本の固有種です。
茎は直立して、シソ科特有の方形で、高さ50~150cmになります。葉は対生し、三角状広卵形で 縁に鋸歯があり、先は尾状に尖っています。
茎頂に円錐花序を作り、5mm程の暗紫色の小花をたくさんつけます。 花はあまり目立ちませんが、色が黒に近い濃紺なので、山野草の中では珍しい色です。 花冠は長さ5mm、合併で二唇形となり、下唇が大きくボート型に突出します。
引起しは、強烈な苦みがあり、弘法大師が瀕死の重病人に飲ませたら起きあがったという伝説から命名され、別名を延命草ともいいます。引起しの仲間には、黒花引起し、亀葉引起し、白山亀葉引起し等の種類があります。
秋の深まりが少しづつ感じられるようになりました。
料理の中に飴釉の器を使うと不思議と落ち着いてきます。透明感があり釉溜まりが美しく、果物も美しく映えます。
季節の器は「飴釉葉皿」です。
飴釉は、鉄釉の一種で酸化焼成によって飴色に呈色したものをいいます。釉成分として調製される含鉄土石に含まれる鉄分の量で発色が違ってきます。
焼き上がりが赤黒い色を呈するもを鉄砂釉、赤褐色に焼き上がるものを柿釉、黒色に焼き上がるものが黒釉です。飴釉は鉄分5~6%で黄色を帯びた黒褐色に焼き上がるものをいいます。
10月3日から七十二侯は「水始涸(みずはじめてかるる)」で、二十四節気「秋分」の末侯となります。収穫の秋を迎え、田圃から水が抜かれる頃という意味です。黄金色に輝いていた黒部川扇状地の田圃は、ほぼ刈り取りの終わりを告げます。
黒部峡谷・セレネ美術館の所蔵作品の中に田渕俊夫画伯の「収穫の頃」があります。画伯の愛知芸術大学教授時代に描かれた作品です。当時大学の近くの長久手に住居とアトリエを構え、周りの田圃風景を題材にした作品を多く残こされています。その代表作が「収穫の頃」です。稲を刈り取った後の藁を燃やした煙が、水平に棚引く様子は、収穫の安堵感と感謝の念が伝わってくる名品です。
セレネ美術館では、芸術の秋に相応しい黒部を題材にした数々の作品を展示しています。日本画壇の巨匠たちは、黒部の山々に分け入って取材し作品を制作しました。日本画の大作を通して黒部峡谷の魅力を感じ取っていただければ、旅の楽しさが一段と広がります。
晒菜升麻(サラシナショウマ)は、宇奈月の低山から、亜高山帯の沢沿いに生える、キンポウゲ科の多年草です。
根出葉は大きく、長柄があって、1~2回3出複葉で、小葉が多くあります。早いものは9月の初めから、長い総状花序を付けます。花弁は白色で、山鳥兜と同時期に咲き出します。沢沿いに山鳥兜の群青と晒菜升麻の純白のコントラストが美しく映えます。
名前の由来は若葉を煮て水で晒して食べるところからきています。キンポウゲ科の植物はアルカイロイドを含んでいる毒性の物が多くあります。漢方の升麻は、この地下茎からとり古くから解毒、解熱用として用いられました。
青磁の花入れに鳥兜と生けると、葉の形も見事で最高の取合せです。
深山莢蒾(みやまがまずみ)は、宇奈月の山地の明るい樹林内や林縁に生育するスイカズラ科の落葉低木で、高さが4mになります。若い枝は緑色でほとんど無毛です。
葉は対生し、托葉が無く広倒卵形で葉脈の走りは端正です。ガマズミに似ていますが葉先は長く伸び尖っています。花期は5~6月で、枝の先に1対の葉と共に散房花序をつけ、白色の多数の花を密に付けます。雄蕊は長く花冠から突き出ています。
果実はやや大きく、9月末頃から赤熟します。秋の照葉と赤い実が山路を美しく彩ります。
富山湾の毛蟹は、旨味に加え上品な甘みがあります。
特に濃厚な味わいの味噌は格別です。大形のものはお造りにできます。
滞在料理の雅膳 の一皿です。
季節のうつわは「金線芙蓉紋平皿」です。
極限にまで薄くした平皿で、緑釉芙蓉紋に金の縁取りは料理を一層引き立ててくれます。
御山竜胆(オヤマリンドウ)は、宇奈月の亜高山帯の草原や湿地に生える、リンドウ科の多年草で、日本の特産種です。
葉は、広披針形で中央脈がはっきり出ていて、互生します。根茎は太く、株から複数の茎が直立し、高さが60cmぐらいになります。
花は、濃紫色で茎頂に複数付けます。花弁は5裂し、わずかに開き細長くすぼまった形です。