腐草為蛍(くされたるくさ ほたるとなる)

<小雨にそぼ濡れるホタルブクロ>

6月11日から七十二侯は「腐草為蛍(くされたるくさ ほたるとなる)」で「芒種」の次侯にあたる。草が枯れ、腐って蛍になるという意味。出典は中国古典の菜根譚や江戸時代の歳時記である改正月令博物筌(かいせいげつれいはくぶつせん)。

蛍は土の中でサナギになり地上で羽化するので、草が朽ちて蛍になると考えられた。蛍の異名として「朽草(クチクサ)」とも呼ばれる。梅雨を迎える頃、宇奈月公園ではゲンジボタルが飛び交う頃である。

宇奈月の山道では、小雨に濡れた清楚な白花の蛍袋が下向きに開花する。虫の雨宿りには格好の場所。宇奈月周辺では白花が多く見られるが、山を越えた信州では淡紅紫色になる。蛍袋はキキョウ化の多年草で英語ではベルフラワー、鐘の花。形から納得できる。花の中に蛍を閉じ込めるとその灯りが外へ透けて見える。まさに火垂(ほたる)の所以である。

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