
九十九草(ツクモグサ)は、宇奈月の高山帯の白馬岳、清水岳山頂直下の岩礫地や稜線沿いの風衝草地に生えるキンポウゲ科の多年草で、日本固有の高山植物です。
全体が毛で覆われ、葉は掌状に細かく深裂します。細葉で複雑なパセリのようになります。花茎の高さは5~15cmで、茎頂に上を向いた漏斗状の6個の萼片が花弁状になり淡黄色の花となります。ガスがかかったり雨の日は、花は萎んでしまいます。外側を白い毛で覆った萼片は、晴れると開きます。
九十九草(ツクモグサ)は、宇奈月の高山帯の白馬岳、清水岳山頂直下の岩礫地や稜線沿いの風衝草地に生えるキンポウゲ科の多年草で、日本固有の高山植物です。
全体が毛で覆われ、葉は掌状に細かく深裂します。細葉で複雑なパセリのようになります。花茎の高さは5~15cmで、茎頂に上を向いた漏斗状の6個の萼片が花弁状になり淡黄色の花となります。ガスがかかったり雨の日は、花は萎んでしまいます。外側を白い毛で覆った萼片は、晴れると開きます。
岩梅(イワウメ)は、宇奈月の高山帯の岩地や礫地に自生する、イワウメ科の常緑小低木です。
枝は、風雪に耐えながら横に這い、厚い革質の葉が密生しているので木本には見えません。葉は倒卵状の楔形で丸まって、高山の岩場にカーペット状に広がって群落を作ります。花は、乳黄白色で枝先に長さ2cmほどの花柄を出し、その先に梅と似た花を上向きにつけます。花冠が5中裂するため花弁が5枚のように見えます。
群落とは、幾つかの異なった植物が同一環境に生育していることで、群生は同一種の植物が同じ場所に群がって生えていることです。高山帯では両方が見れます。
深山東菊(ミヤマアズマギク)は、宇奈月の高山の乾いた礫地や礫の多い草地に生えるキク科の多年草です。
全体に軟毛があり、根茎に1~4cmの箆形の葉が多数つき、茎にも小葉が付きます。茎の先端に淡紅紫色の舌状花と黄色の筒状花からなる径3cmほどの頭花を1個つけます。稀に白色の白花深山東菊が見られます。
白馬山系は、地質学的に蛇紋岩が多いため、固有なものが多く生育し、白馬の生態系を作っています。とりわけ白馬山系の宇奈月側は、頂上から斜面がなだらかになっているので、蛇紋岩植物が生育する高山植物の宝庫となっています。白馬岳(宇奈月側)、旭岳(宇奈月町)、清水岳(宇奈月町)は、天空のお花畑コースになります。
岩弁慶(イワベンケイ)は、宇奈月の高山帯の風当たりの強い岩場や岩礫地に生育するベンケイソウ科の多年草です。白馬岳から旭岳、清水岳に至る登山道沿いの岩場で見ることができます。
高さは4cm前後で、葉は多様な形の多肉質です。雌雄異株で黄色の花は雄株で赤色の花は雌株です。和名は、厳しい環境下でも強く生育することに由来します。
深山金梅(ミヤマキンバイ)は、宇奈月の高山の岩場に自生するバラ科の多年草です。
茎は赤みがかり高さ10cmから20cmの小形で、根出葉は太い根茎上に数個つき、卵型で鋸歯のある3枚の小葉からなります。花は黄色の5片花で花びらの内側はオレンジ色です。
花は、信濃金梅(シナノキンバイ)とよく似ています。シナノキンバイはキンポウゲ科でトリカブトのように葉の切れ込みが深く、細く分裂しています。
高嶺茨(タカネイバラ)は、宇奈月の高山帯に自生するバラ科の落葉低木です。北海道や日本海側の高山に分布する野生の薔薇です。
樹高は1~2mになり、枝はよく分枝し刺針があります。葉は10cm前後の奇数羽状複葉で、小葉は5~7個で質が薄く、小柄をもち、楕円形で上部ほど大きくなります。 7月、小枝の先端に1個の花をつけます。花冠は径は4~5cmで紅紫色の5弁花で多数の黄色い雄蕊があります。果実は洋梨形で赤色に熟しますす。
白山小桜(ハクサンコザクラ)は、宇奈月の高山帯に自生する超小形のサクラソウ科の多年草です。主に日本海側の高山帯に分布し、雪渓周辺や湿地帯などの湿った場所に群生します。
葉は、根葉のみで大小不揃いの尖った鋸歯があります。花は5弁花ですが、ハート型に深く切れ込んでいるので、10弁花のように見えます。桃色の花は桜に似て白山に多く見られることが、和名の由来となっています。花は、大桜草と似ていますが葉の形で見分けがつきます。白山小桜の葉はやや丸みを帯び不揃いな鋸歯があります。大桜草の葉は紅葉手となっています。
宇奈月の名座、旭岳、清水岳周辺の湿地帯で群生が見られます。
雪割草(ユキワリソウ)は、宇奈月の高山の岩場に生育するサクラソウ科の多年草です。
葉は楕円形で根生し、表面は緑色でしわが多く、ふちには波状のゆるい鋸歯があり、やや裏側に曲がります。花茎は高さ5~15cmになり、その先に3~20個の淡い紅紫色の花をつけます。苞は線形になり、基部は袋状に膨らみません。
駒草(コマクサ)は、宇奈月の高山帯の風衝岩屑斜面などの砂礫地に自生するケシ科の多年草です。他の植物が生育できないような環境なので、根を1mぐらいに伸ばし単独の大群落を作ります。清水岳(2603m)の山頂付近のガレ場で見ることができます。
風衝地とは山頂や尾根で強風が吹きつける地帯のことで、絶えず強風にさらされているため土はなくて、小石や岩が多い地帯です。冬期は雪が風に飛ばされ地表は凍結し、極寒の大地になります。この過酷な自然条件に耐えて生育するのが、コマクサ等の一部の高山植物です。
葉は根生葉で細かく複雑に裂けて白い粉を帯び、パセリのように見えます。終裂片は幅1mmほどの線形となります。この複雑な葉の構造が、濃霧を伴った強風が過ぎ去った後に多くの水滴を付着することができます。花茎は10~15cmで淡紅色の花をつけます。花弁は4個で外側と内側に2個づつつきます。外側の花弁は下部が大きく膨らんで、先が反り返ります。
和名は、花の形が馬の顔に似ていることに由来します。自然条件の厳しい環境のもとで育つ可憐な花なので「高山植物の女王」とも呼ばれています。
延根千鳥(ノビネチドリ)は、宇奈月の亜高山帯の樹林下の湿った所に自生するラン科の多年草です。
茎は太く円柱形で直立し、30~60cmになります。葉は互生し葉身は長楕円形で、先は尖り縁は波状に縮れ3~5筋の葉脈がはっきりと目立ちます。花期は7月で淡紅色の花を穂状に多数つけ、苞は花と同じ長さです。側花弁は萼片より短く、唇弁はそれよりもやや長く、楔状広卵形で先端が3裂します。
和名は、根茎が伸びることに由来します。