
秋風が吹くと真鯛は脂が乗り美味しくなります。新鮮な真鯛を薄く引いて昆布締めにします。純米吟醸のぬる燗に合う肴です。秋の夜長はぬる燗に限ります。
季節のうつわは「南京交趾長角向付」です。交趾とは現在のベトナム国の南部の古い地方名です。交趾焼とは中国河南省で焼かれた三彩陶磁の日本名で、磁胎と陶胎があります。この内、陶胎の三彩は桃山時代の美濃焼の黄瀬戸や楽焼のモデルとなり、磁胎の素三彩は江戸後期の永楽保全、偕楽園焼、長与焼の重要なモデルとなっています。
秋風が吹くと真鯛は脂が乗り美味しくなります。新鮮な真鯛を薄く引いて昆布締めにします。純米吟醸のぬる燗に合う肴です。秋の夜長はぬる燗に限ります。
季節のうつわは「南京交趾長角向付」です。交趾とは現在のベトナム国の南部の古い地方名です。交趾焼とは中国河南省で焼かれた三彩陶磁の日本名で、磁胎と陶胎があります。この内、陶胎の三彩は桃山時代の美濃焼の黄瀬戸や楽焼のモデルとなり、磁胎の素三彩は江戸後期の永楽保全、偕楽園焼、長与焼の重要なモデルとなっています。
焼き魚を、華やかな面の余白部分に小さく載せます。金彩に縁どられた花と秋草に包まれた一品は、料理の流れを楽しくします。のど黒は、脂がのって美味しくなるころです。雅膳の一皿です。
季節のうつわは「仁清色絵菊絵七寸皿」です。秋を華やかに彩る器です。
秋が深まるとひやおろしが美味しくなります。肴は、白海老の昆布締のお造りです。白海老は1匹1匹をむき身にし、昆布で締めます。昆布の風味が白海老に伝わる繊細な味わいのお造りです。生姜醤油、煎り酒でお召し上がりください。合わせるお酒は、富山市岩瀬の桝田酒造店の満寿泉LE(リミテッドエディション)山田錦ひやおろしです。バランスが良く、すっきりとした飲み口でのびやかで瑞々しい味わいのひやおろしです。
季節のうつわは「油滴天目向附」です。油滴釉薬の結晶が作り出す千変万化の景色は、宇宙を想像させます。満天の星のような輝きをお楽しみください。
二十四節気「寒露」に入ると、のど黒は脂がのります。のど黒は、アカムツのことで地元では魚神(ギョシン)と呼び、魚の神と書きます。その上質の脂は、お造り、焼き物、煮物の旨みを引き立たせます。
のど黒の焼物は、酒、味醂、醤油を合わせた若狭地をかけながら、丁寧に焼き上げます。「のど黒会席」の一皿です。その他のお勧めは、のど黒のシャブシャブです。脂ののった切り身をサーットお湯にくぐらせ、ポン酢又は特別な出汁でいただきます。まさに魚の神の所以です。
季節のうつわは「平皿・染付雲鶴吉祥文様」で染付の美しい器です。貴賓ある染付は永楽妙全の得意としているところです。雲鶴文は、流れる雲の中を飛翔する鶴を表した文様です。平安時代より宮中の衣装類などに用いられた格調高い古典模様で、器にも使わるようになりました。
富山湾の紅津合蟹漁は9月1日(解禁日)から始まり、漁獲量も安定してきました。
大形の物も多く水揚げされるようになり、蟹味噌も美味しくなってきました。匠膳の一皿は紅津合蟹の蟹味噌和えです。
季節のうつわは「仁清色絵紅葉文向付」です。錦繍の色絵に紅蟹が映えます。艶やかな朱色に黄色と緑の紅葉の器は、峡谷の秋を連想させます。
肌寒さが増してくると、富山湾の甘鯛が美味しくなります。秋の山海の恵みと湯葉を使った甘鯛東寺蒸しです。秋分を迎えると夜も少しづつ長くなります。
季節のうつわは「色絵楓葉文蓋向」です。
黒部峡谷では楓の種類が多く見られます。板屋楓、瓜楓、瓜膚楓、麻幹花(オガラバナ)、羽団扇楓、山紅葉など。春の新緑は萌黄色、夏は緑、秋は黄色や赤に、季節によって色の変化を楽しませてくれます。
秋の前菜は、旨い物で盛りだくさんです。食材が豊富なこの時期、実りの秋を味わいたいものです。
盛り付けは黒竹で編んだ籠を用意しました。雅膳の滞在料理の一品です。
季節のうつわは「黒竹小判形籠」です。籠は人の温もりが感じられます。
黒竹の 桿は、初めは緑色で夏を過ぎるとだんだん黒くなり、2年ほどで黒々くなります。その黒竹を細く平らに削いで編み込みます。籠の底には、へぎ目の杉板を使いますので、料理が安定して美しく映えます。
秋の深まりが少しづつ感じられるようになりました。
料理の中に飴釉の器を使うと不思議と落ち着いてきます。透明感があり釉溜まりが美しく、果物も美しく映えます。
季節の器は「飴釉葉皿」です。
飴釉は、鉄釉の一種で酸化焼成によって飴色に呈色したものをいいます。釉成分として調製される含鉄土石に含まれる鉄分の量で発色が違ってきます。
焼き上がりが赤黒い色を呈するもを鉄砂釉、赤褐色に焼き上がるものを柿釉、黒色に焼き上がるものが黒釉です。飴釉は鉄分5~6%で黄色を帯びた黒褐色に焼き上がるものをいいます。
富山湾の毛蟹は、旨味に加え上品な甘みがあります。
特に濃厚な味わいの味噌は格別です。大形のものはお造りにできます。
滞在料理の雅膳 の一皿です。
季節のうつわは「金線芙蓉紋平皿」です。
極限にまで薄くした平皿で、緑釉芙蓉紋に金の縁取りは料理を一層引き立ててくれます。
今年の中秋の名月は、9月17日でした。この時期は秋雨前線が日本列島にかかるため、月を愛でる日が少なくなります。中秋の名月に次いで風情のある十三夜は、10月14日前後になります。
富山湾では鬼鮋(オニカサゴ)や甘鯛などの底物が美味しくなる時期です。雅膳の一皿は、甘鯛味噌幽庵焼きです。
季節のうつわは「仁清色絵月薄絵皿」です。金彩、銀彩、緑釉を使い分けて名月と芒を描いています。床の間のお軸も月に秋草と秋の虫。秋分に入ると虫の音が、草叢から聞こえてきます。