祥瑞橘文向付

<吉祥文様>

雅膳二泊目の千代口は、白海老と唐墨です。白海老は醤油だと塩分が強くなるので、旨味だしを使います。ほど良い旨味と柔らかな塩分の出汁は、白海老の繊細な甘みを引き出してくれます。

季節のうつわは「祥瑞橘文向付」です。橘は常緑樹で葉は年中元気よく生い茂ることから、長寿や子孫繁栄の願いを意味する吉祥文様となります。

山延胡索(ヤマエンゴサク) ケシ科

<春の妖精のような花>

山延胡索(ヤマエンゴサク)は、宇奈月の落葉樹林や林縁の適湿地に開花するケシ科キケマン属の多年草です。

全体に毛が無く10cm前後の繊細な山野草です。葉は、2個互生し3出羽状複葉で柔らかく、切れ込みが入り緑色が最も美しい葉です。花は茎の上部に総状花序につき、淡い青紫色や濃い赤紫色まで様々な色のものがあります。花の長さは2cm位で、筒状で先が唇形に開きます。

 淡い色と姿から「水色の妖精」とも呼ばれています。 宇奈月温泉の原野では、菊咲一華の隣で咲いているのが見られます。 春の山野草をめでる季節の到来です。