
薙刀香薷(ナギナタコウジュ)は、宇奈月の山地の林縁や道端の草地に生える、シソ科の一年草です。
茎はシソ科特有の方形で直立し、分岐が旺盛でまばらに軟毛があります。 秋風が吹くと茎や枝の先に偏側性の薄紫の花穂をつけます。 花穂は薙刀状に少し曲がっています。
和名はこの形に由来します。 花穂に触れるとに香気があり、全草を乾燥させて煎じると利尿、解熱に効き目があるといわれています。
薙刀香薷(ナギナタコウジュ)は、宇奈月の山地の林縁や道端の草地に生える、シソ科の一年草です。
茎はシソ科特有の方形で直立し、分岐が旺盛でまばらに軟毛があります。 秋風が吹くと茎や枝の先に偏側性の薄紫の花穂をつけます。 花穂は薙刀状に少し曲がっています。
和名はこの形に由来します。 花穂に触れるとに香気があり、全草を乾燥させて煎じると利尿、解熱に効き目があるといわれています。
9月22日から二十四節気は「秋分」を迎えます。「春分」と同様に昼と夜の長さが同じになり、この日を境に陽は弱く短くなります。季節は少しずつ冬へと向います。
七十二侯は「雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)」で、二十四節気「秋分」の初侯にあたります。黙黙と力強く湧く入道雲は消え、夕立時に鳴り響いた雷が収まる頃という意味です。これに対して七十二侯の「雷乃発声(かみなりすなわちこえはっす)」は、二十四節気「春分」の末侯で、今年は3月31日でした。
雷の多い年は、豊作だと言われるようにお米には雷が密接に関係しています。恵みの雨をもたらすのが雷雲で、その閃光を稲妻と表現するところが稲作文化の象徴かもしれません。 黒部川扇状地の肥沃な大地では、収穫が始まりました。
宇奈月温泉周辺には様々な散策コースがあります。 日差しが和らいでくると、栃の森散策道(旧十二貫野用路)のウォーキングが爽快です。遊歩道の入り口は、宇奈月温泉スキー場の直下にあり、杉の木立が迎えてくれます。最終地点の尾の沼までの2.8kmのコースで、所要時間は1時間20分。途中、眼下に宇奈月ダムとうなづき湖を眺め、樹齢300年の巨木で形成された「栃の森」を抜けると、対岸にはヨーロッパの古城を模した新柳河原発電所が見えてきます。さらに上流へとアキアカネが飛び交う遊歩道を進みます。滝と急流の響きが感じられるようになるとコースの終点間近です。
そこは連なる砂防堰堤から落ちる滝が、連続に重なる絶景の「尾の沼谷」です。谷沿いに設けられた露天風呂「とちの湯」は眺望絶佳で、黒部の山々が宇奈月湖の湖面に映り込みます。帰りは平坦なダム湖沿いの道を歩き温泉街へと続きます。
黒部の秋の風情が五感で感じられるお薦めコースで、所要時間4時間程度です。
白髭草(シラヒゲソウ)は、宇奈月の山地の湿った陰地に自生するユキノシタ科の多年草です。今年も限られた場所にひっそりと咲いています。かつては林縁でよく見かけましたが、最近は絶滅に近い状況です。
葉は、やや丸いハート型で茎を抱くようについています。茎は分岐することなく直立で、茎頂に白い花を1個つけます。和名は、白い5個の花弁の縁が、糸状に細裂している形状を白髭に見立て、白髭草と名付けられました。
可憐でレースのように織り込まれた複雑な白い花。その自然の造形美に魅了されます。
天人草(テンニンソウ)は、宇奈月の山中の木陰に群生する、シソ科の大形の多年草です。
茎は直立して50cmから100cmぐらいになり、葉は長楕円形で対生し、鋸歯縁で両端は尖っています。花は、淡黄色で茎頂に細長い花穂をつくって、密につきます。4本のおしべと1本のめしべは、花柱とともに長く花外に付き出でています。
山萩(ヤマハギ)は、宇奈月の山野に自生する、マメ科の落葉低木です。
高さは2m前後で、枝は細く多数分岐しますが、全体に繊細な感じがします。葉は楕円形でやや薄く、3小葉からなる複葉で、裏面には伏毛があります。9月、まばらに葉より長い総状花序に、明るい紅紫色の細長い蝶形花をつけます。
古名で鹿鳴草と書き、万葉集で最も詠まれた花でもあります。中秋の名月に萩、薄を月見団子と共に供える風習が残っています。
虫の音が秋の深まりを感じさせます。十五夜の月は中秋の名月で芋名月ともいいます。
現在の新暦は、旧暦と1~2ケ月のずれがあるため、9月7日~10月8日の間で、満月が出る日を十五夜としています。今年は9月29日です。
雅膳の秋の前菜です。季節の器は、「一閑高台皿」で、十五夜の月に見立てました。
水引(ミズヒキ)は、宇奈月の林道の縁に生えるタデ科の多年草です。
茎は直立して高さ50~80cmあり、まばらに分岐します。葉は互生し広楕円形です。茎の先から花穂を伸ばして花径4mmほどの小花を総状につけます。花柄に節があり花は横むきに咲き、花被片は4か所深裂し、上の3個は赤で下の1個は白くなっています。
和名は、開花の時の色彩が紅白であることに由来しています。
雄山火口(オヤマボクチ)は、宇奈月の山の日当たりのいい斜面に、直立して生えるキク科の多年草です。
花が暗紫色になると茎は紫色になります。茎は直立し、高さ1~1.5mになり、上部で分岐します。根葉は楕円状卵型で、裏側には白い綿毛が密生しています。
この綿毛を火打石の火花を移す火口(ほくち)に使った所から和名の由来となっています。葉が牛蒡の葉と似ているので、ヤマゴボウとも呼ばれ、根は漬物として、若葉は草餅に使われます。信州では蕎麦のつなぎとしても使われるそうです。
9~10月、茎頂に暗紫色の頭花を、横向きまたは下向きに開きます。すぐ近くに大型の立薊も花を開かせ、秋の深まりを感じさせます。
9月17日から七十二候は「玄鳥去(つばめさる)」で、二十四節気の「白露」の末候になります。春に日本にやってきた燕が、暖かい南へ帰る頃という意味です。20日は秋彼岸の入りで暑さ寒さは彼岸までの言葉通り、ようやく残暑が終わります。
燕が日本に渡ってくるのは、七十二侯の「玄鳥至(つばめきたる)」で今年は4月4日でした。宇奈月温泉で飛び交う燕は、尾羽が短い小型の岩燕です。つい最近まで黒部川の河原を飛び交っていました。黒部川の面した部屋から幾筋もの黒い線が観察でき、躍動感あふれるその姿は夏の象徴でした。その岩燕が去ると秋の気配が深まります。
陽が落ちて、草叢に集く虫の音を聞きながら部屋の露天風呂に体を沈めると、頬にあたる川風に冷たさを感じます。山間の出湯は、月影さやかな時を迎えます。延楽で至福のひとときをお過ごしください。
秋の味覚きのこが美味しい季節となりました。雅膳の一皿は、きのこ霙(みぞれ)和えです。えのき、ぶなしめじ、なめこ、黒トリュフです。
季節のうつわは「黄瀬戸五寸皿」です。 山の味覚は土物が合います。黄瀬戸は文字通り光沢の強い灰釉である古瀬戸系黄瀬戸と、しっとりと潤いのある油揚げ肌を呈する釉中に、黄土を混ぜた黄瀬戸に大別されます。