新緑の黒部峡谷を行く(出六峰)

日本一深いV字峽を縫うように走る黒部峡谷鉄道。今年は、4月20日に猫又まで運行開始されました。

5月1日から鐘釣まで、5月3日からは全線開通の予定となっています。黒部峡谷は残雪をまとった黒部の山々に柔らかな新緑が美しく映える頃となりました。

出平ダムには雪解け水が満々と堪水され、紺碧に染まった湖面には複雑な稜線が映りこみます。その稜線は六つの峰のようにそびえ立っているので出六峰と呼ばれています。毎年の雪崩で削られてできたそれぞれの谷は、大雨が降ると滝に変わります。

日本画壇の手塚雄二氏は、この静寂な地を「星宿出六峰」として屏風で発表されました。出平駅は、猫又の手前の駅でその周辺は落葉樹が自然に近い形で植樹され、緑豊かな森となっています。萌黄色の葉が広がりつつある木間から湖面が神秘的に見えます。

黒部峡谷鉄道・全線開通

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黒部峡谷鉄道は5月1日、宇奈月から欅平(20.1Km)まで全線開通しました。

鶯が鳴き交う黒部の谷。トロッコ電車が深い谷を縫うように走っています。眼前に雪を纏った黒部の山々と、萌黄色に輝く新緑の峡谷、眼下に笹色を呈した薄濁りの黒部の流れを眺めながら黒部の探勝。

今年は、例年になく積雪が少ないので、早々と木々の花を楽しむことができます。

雪解け進む黒部の山々

黒部川は、立山連峰と後立山連峰の山々の雪解け水を集めてその流れを作っています。これから日一日と雪解けで、水量が増え激流となって富山湾に注がれます。

真ん中の高い山は、右から清水岳(2593m)、その奥が旭岳(2867m)、さらにその奥が白馬岳(2932m)と連なっていきます。その稜線が、富山県と長野県の県境となり高山植物の宝庫となっていますます。ちなみに宇奈月温泉から白馬村まで直線距離で13kmですが、車で行くとなると糸魚川から148号線を使って3時間の道程です。

宮廻正明展:(無極)

<宮廻正明:「道の空(薮田小学校)」>

10月13日から七十二侯は「菊花開(きくのはな、ひらく)」で、二十四節気の寒露の次侯にあたる。菊が咲き乱れる頃という意味。各地で菊祭りが開かれる頃である。

芸術の秋、黒部峡谷セレネ美術館では開館25周年を記念して「宮廻正明展:(無極)」が開催されている。宮廻正明画伯は、近年では最新の科学技術と芸術を結び付けたクローン文化財のリーダとして脚光を浴びている。

最初の部屋に展示されている大作が「道の空」、富山県氷見市の薮田小学校である。取材時にはすでに廃校になっていて、解体される運命にあった。平成5年、ブリお越しの取材に行く途中、薮田小学校の前を通過したとき校庭にはいくつもの水たまりがあり空と雲が映りこんでいた。宮廻画伯は直ぐにスケッチを始める。

薮田というと浅野コンツェルンを一代で築き上げた浅野総一郎の故郷である。京浜工業地帯の生みの親でもある。このプロジェクトに昭和2年から加わるのが、宇奈月温泉の生みの親の山田胖である。浅野は、山田胖の電気事業に対する優れた見識と卓越した経営手腕を高く評価し、系列会社へ役員として迎え入れる。

宮廻画伯の作品は二人の結びつきを物語っているかのようでもある。山田胖氏のお孫さんが東京芸術大学で、宮廻画伯の後輩であるというのも不思議な縁である。

展覧会の会期は10月13日から11月25日まで。

雪景色が美しい宇奈月温泉

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四方を山に囲まれた宇奈月温泉。

木の葉はすっかり散り終え、二十四節気の大雪。

灰色の雪雲が空を塞ぐ冬到来。

時折雲の切れ間から差し込む光。

迫る山々の木々には、雪の花。

今日から七十二侯の次候、熊蟄穴(くまあなにこもる)。

熊が冬眠にはいる頃である。

寒いときこそ、湯量豊富な宇奈月温泉で至福の時を。

露天風呂「華の湯」

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黒部峡谷は極彩色の彩りを呈しています。

まさに錦繍の黒部峡谷です。

客室からも燃えるような深紅の木々を楽しむ事ができます。

特にお薦めは、露天風呂「華の湯」です。

湯船に浸かりながら眼下に玉露色を呈した黒部の流れを。

眼前に色づい峰々と対峙する至福の時。

黒部の大自然に抱かれる心地よさです。

越中八尾「おわら風の盆」

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立春から数えて二百十日の秋風が吹く頃、風封じと五穀豊穣を願い3日3晩踊り明かす「おわら風の盆」が始まりました。

哀調を帯びた鼓弓や三味線の音に合わせ11町で、伝統に育まれたれ優美な舞が街流しや輪踊りの形で繰り広げられます。

夜の帳がおりると、情緒ある古い町並みで勇壮な男踊りと艶やかな女性の踊りが、ぼんぼりの明かりに照らされ幽玄な世界を生み出します。

町内を流れる融雪溝の水の音と月明かり、粋芙蓉の薄紅色の彩りも「おわら」には無くてはならない風物詩です。

9月1日から9月3日まで。富山市八尾町にて実施。

ホタル鑑賞ができる宇奈月公園

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宇奈月公園では、夏の風物詩である幻想的なホタルの光を楽しむことができます。午後8時ごろからが見頃で、8月初旬ぐらいまで観賞できます。

園内には、名水が流れる小川や池があり、クガイソウ、ギボウシ、ホタルブクロ等の山野草を愛でることができます。その他、昭和天皇の歌碑や与謝野鉄幹、晶子夫妻の歌碑、宮柊二の歌碑があります。

延楽から徒歩3分です。

総湯「湯めどころ宇奈月」

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宇奈月温泉街に新しくオープンした総湯「湯めどころ宇奈月」の外観です。

日中は多くのお客様で賑わいますが、夜の帳が降りると温泉街の美しい夜景を作り出します。

幻想的な光に包まれた温泉街は、食後の散策にお勧めです。

延楽から徒歩2分。