岩弁慶(イワベンケイ)ベンケイソウ科

<岩場を彩る岩弁慶>

岩弁慶(イワベンケイ)は、宇奈月の高山帯の風当たりの強い岩場や岩礫地に生育するベンケイソウ科の多年草です。白馬岳から旭岳、清水岳に至る登山道沿いの岩場で見ることができます。

高さは4cm前後で、葉は多様な形の多肉質です。雌雄異株で黄色の花は雄株で赤色の花は雌株です。和名は、厳しい環境下でも強く生育することに由来します。

深山東菊(ミヤマアズマギク) キク科

<アズマギクの高山型>

深山東菊(ミヤマアズマギク)は、宇奈月の高山の乾いた礫地や礫の多い草地に生えるキク科の多年草です。

全体に軟毛があり、根茎に1~4cmの箆形の葉が多数つき、茎にも小葉が付きます。茎の先端に淡紅紫色の舌状花と黄色の筒状花からなる径3cmほどの頭花を1個つけます。稀に白色の白花深山東菊が見られます。

白馬山系は、地質学的に蛇紋岩が多いため、固有なものが多く生育し、白馬の生態系を作っています。とりわけ白馬山系の宇奈月側は、頂上から斜面がなだらかになっているので、蛇紋岩植物が生育する高山植物の宝庫となっています。白馬岳(宇奈月側)、旭岳(宇奈月町)、清水岳(宇奈月町)は、天空のお花畑コースになります。

色絵波絵蓋向

<初夏の器>

延楽雅膳の一皿は、鮑と夏野菜の含め煮です。日一日と暑さが増し夏野菜が旨くなります。夏野菜に出汁を絡ませると更に旨くなります。柔らかな煮鮑は、よく合います。

季節のうつわは「色絵波絵蓋向」です。夏にふさわしい器で、波をモチーフにした図案を加飾したものの一つです。蓋物の他に小鉢、皿、向付、など波の絵付けがされているものが多くあり、作家や産地によって表現が違います。

江戸時代から波、千鳥、流水など琳派で使用された図案が使われ、その他に身近な植物、昆虫に至るまであらゆるものをデザイン化して器に取り入れています。現在ではその写しを見ることができます。料理と器の妙は、奥深い味わいです。