青白渦文硝子向付

<地元作家の作品>

 富山は明治、大正期に手作りのガラスの薬瓶製造が盛んで、多くのガラス職人がいました。今も多くの作家が活躍しています。料理は、季節感が大切です。ガラスの器には料理を生かしてくれるものが数多くあります。滞在のお料理によく使います。

延楽匠膳の2泊目の小付は、焼鮎と糸瓜素麺です。焼鮎で取った旨味出汁でお召し上がりください。季節の器は、地元作家の作品で、「青白渦文硝子向付」涼しげな器です。

四葉鵯花(ヨツバヒヨドリバナ) キク科

<亜高山に咲く四葉鵯花>

四葉鵯花(ヨツバヒヨドリバナ)は、宇奈月の亜高山帯の草地や林縁に生えるキク科の多年草で、別名は車葉鵯(クルマバヒヨドリ)ともいいます。

茎は直立して分岐せず高さは100cm前後になります。葉は長楕円形で3~4個が輪生して葉柄がなく鋭い鋸歯があります。茎頂の散房状花序に淡紅紫や白色の頭花を密に付けます。各頭花は管状花からなります。

和名は、葉が4個輪生し、鵯の鳴く頃に開花することに由来します。

土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし)

<見ごろを迎えた球紫陽花>

7月28日から七十二侯は「土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし)」で、二十四節気「大暑」の次侯となります。溽暑(じょくしょう)とは湿気が多く、蒸し暑い状態のことを表します。梅雨の湿気を帯びた大地に、強い日差しが照りつけて蒸し暑くなる頃という意味です。例年この時期が梅雨明けとなります。

今年の梅雨明けは7月21日でした。それ以後、猛暑が続いています。溽暑(じょくしょう)の日が続くと雪解けが進み、黒部奥山の雪形は日々小さくなります。その雪解け水は宇奈月ダムによって湛水され、うなづき湖となります。その雪解け水が、ダム直下にある宇奈月発電所の発電機を回します。発電所から出た水は黒部川本流となり黒部川扇状地へと流れていきます。

富山県内では連日猛暑日が続いていますが、早朝の宇奈月温泉は冷気を含んだ川風が心地良く、爽やかにウォーキングができます。ウォーキングコースの山彦遊歩道の球紫陽花(タマアジサイ)の開花が始まりました。球状の蕾を包む苞が外れ、中から額紫陽花が現れます。日本海側の豪雪地帯に多く見られる品種で、薄紫色の両性花は涼やかさを届けてくれます。蕾の形が和名の由来となっています。