接骨木(ニワトコ) スイカズラ科 

<花が終わると赤く結実します>

接骨木(ニワトコ)は、宇奈月の低山から深山に生えるスイカズラ科の落葉性の低木から小高木です。

葉は、奇数羽状複葉で対生し、小葉は2から3対しています。5月から8月にかけて新枝の先に円錐花序をつけ、小さな白い花をたくさんつけます。紫色の雌しべの周りを5本の雄しべが取り囲んでいます。

和名は、枝や幹の黒焼は、骨折や打ち身に効目があることに由来しています。宇奈月の深山では7月初旬から8月初旬に花が咲きます。

竹煮草(タケニグサ) ケシ科

<丈があるのでよく目立ちます>

竹煮草(タケニグサ)は、宇奈月の山地の日当たりのいい荒れ地に生え、高さ1mから2mにもなるケシ科の大形多年草です。竹と一緒に煮ると竹が柔らかくなり、細工しやすくなることが名前の由来となっています。

茎頂に白い小花を多数つけた円錐花序を作り、白色の2個の蕚片は開花時に落下します。葉は、掌状に深く切れ込んだ広卵形で互生し、裏面は、毛が密生し白くなり葉柄があります。茎を切ると有毒の黄色の乳液が出てきます。この有毒成分はプロトビンなどのアルカイロイドで、皮膚の炎症などを引きおこします。外用として皮膚病等に効き目があります。山が荒れはじめると竹煮草(タケニグサ)が増えるようです。

富山県水墨美術館に、菱田春草の「武蔵野」という題材の作品があります。背景に、薄墨の富士と前面に大形の植物が描いてあります。竹煮草です。掌状に深く切れ込んだ大きな葉が墨濃淡で描かれています。大形の竹煮草と大きな葉が、春草の筆を走らせたのかもしれません。