織部水玉紋蓋向

<落ち着いた水玉紋>

梅雨明けが待ち遠しい日が続きます。織部釉をちらした蓋物が、爽やかさを醸し出します。今年は梅雨入りしてからまとまった雨が降っておりません。今週も曇りのち雨の日が続きます。七夕を過ぎた頃が梅雨明けとなります。

梅雨時の南風は黒南風(くろはえ)梅雨明け頃の南風は白南風(しらはえ)と呼びます。空が黒から白の変わると梅雨明けです。

雅膳の季節のうつわは「織部水玉紋蓋向」です。水玉紋が梅雨明けにふさわしく、器が落ち着いて美しく見えます。

岩絡(イワガラミ) ユキノシタ科

<山路の壁面に広がる岩絡>

岩絡(イワガラミ)は、宇奈月の山地に普通にあるユキノシタ科の落葉藤本です。幹から多数の気根を出して、樹木や岩などに絡みついて成長します。

葉は対生し赤みのある長柄があり、葉身は長さ5cmから10cmの広卵形で先は細く尖り縁には荒いやや不規則な鋸歯があります。花は、5月から7月にかけて新枝の先に集散花序を形成し、5弁の白く小さい両性花を多数開かせます。周囲には数個の装飾花があり、白く大きい萼片が1個、花弁状につきます。

蔓紫陽花(ツルアジサイ)は、生態的にも形態的にもよく似ていますが、萼片が4個つくので区別がつきます。大樹に絡みつく様は、樹木全体に白い花が咲いたようで華やかになります。