のどぐろ若狭焼

冬の富山湾の「のどぐろ」は上質な脂が乗っている。

「のどぐろ」はアカムツのことで、地元では魚神(ギョシン)と呼び魚の神と書く。

上質な脂は、お造り、焼き物、煮物でより旨みを引き立たせる。

まさに魚の神の所以である。

焼き物は、酒、味醂、醤油を合わせた若狭地をかけながら丁寧に焼き上げる。

うつわは染め付け。

永楽妙全造、染付雲鶴で吉祥の文様。

うつわと料理を楽しむ【延楽・雅膳】の一品である。

晩秋のお造り

晩秋の宇奈月は、紅葉の装いが色濃く残る。

峡谷を流れる水は、ますます透明さを増す。

この時季に富山湾で水揚げされる魚の旨みは格別である。

極めつけの刺身ダレは、延楽特性の「煎り酒」。

魚の旨みがしかりと味わえる。

晩秋を楽しむ器は、仁清色絵紅葉六寸皿。

露天風呂に浸かりながら黒部の秋の深まりを静かに味わう。

津和井蟹の洗い

透き通るようなお造りは氷水にさらした蟹の洗い。

とろけるような食感の中に濃い甘みが口いっぱいに広がります。

黒部の山々が薄く雪化粧をすると富山湾のずわい蟹漁が最盛期を迎えます。

婦人画報「美食の湯宿・活蟹会席」で紹介されました。

焼鮎の煮凍り

黒部川の下流域は鮎釣が盛んに行われる。

滞在料理の小附は、焼鮎の煮凍り。

焼鮎の香ばしい身を出汁にあわせゼラチンで固める、涼やかな一品。

器は、古い青瓷花刻の小鉢。

柳ばちめの煮付け

6月21日から二十四節気は夏至。

1年の内で最も日が長く、夜が短くなる頃。

これを機に盛夏に向かう。

富山湾では柳ばちめが水揚げされている。

延楽【匠の膳】の煮物は柳ばちめの煮付け。

器は、仁清色絵藤・六寸皿。

白えび料理

3月30日から4月3日まで七十二侯は、二十四節気春分の末侯「雷乃発生(かみなり、すなわちこえをはっす)」。

古来春の雷は、恵みの雨を呼ぶ兆で人々が待ち望む。

宇奈月の山では雷による大気が不安定となり雪や雹を降らせることもある。

宇奈月の雨は春とはいえ、まだまだ気温を低下させる。

富山湾に春の訪れを告げる白えび漁は、4月1日から解禁。

今年は雷による強風と高波で出漁できず、4月3日が今季初の漁となる。

富山湾沖合2kmから3kmで河川延長地帯が漁場となっている。

漁法は底引き網で小型漁船。

白えびは淡いピンク色で富山湾の宝石と呼ばれる。

その料理方法も多彩で、お造り、唐揚げやかき揚げ、つみれ鍋、釜飯など延楽「春の膳」でご賞味あれ。

地酒は館主お薦めの勝駒純米吟醸、千代鶴純米吟醸、黒部峡大吟醸、羽根屋大吟醸、苗加屋純米大吟醸。

桜鯛炊合せ

3月25日から3月29日まで七十二侯は桜始開(さくら、はじめてひらく)。

二十四節気の春分の次侯にあたる。

桜の開花が話題になり、桜餅が和菓子屋の店先に並ぶ頃。

春の富山湾はホタルイカ、細魚(さより)、鮎並(あいなめ)等が旨い。

桜の季節は桜鯛が美味しくなる。

一押しは桜鯛の炊合せ。

新牛蒡の香りも春。

器は向附、乾山写桜絵。

桃形向附・仁清色絵桃絵

3月10日から七十二侯は、桃始笑(もも、はじめてさく)。

桃の蕾はふくらみ花が咲き始める頃という意味。

二十四節気の啓蟄次侯にあたる。

宇奈月の里は、まだ寒さは残るが一雨毎に春が近づいてくるのが感じられる。

かつてこの地は、桃の木が沢山生えていたので桃原と呼ばれていた。

郷土史研究家の野島好二氏によると、奈良時代にこの地に神武天皇の御陵があると聞いて、当時の国司であった大伴家持がこの地を訪れたという言い伝えがあるとか。

季節の一品は、今が旬の才巻と春野菜の炊合せ。

器は桃形向附・仁清色絵桃絵。

向附・白楽梅形

2月8日から七十二侯は、二十四節気立春の次侯、黄鶯睍睆(こうおう けんかんす)。

春を告げる鶯が鳴く頃と言う意味。

その年の最初に聞く鶯の声が初音。

強い寒気が流れ込む中、富山気象台は9日、梅の開花宣言を発表。

美しい初音が聴けるのももうすぐ。

梅の香りを思い浮かべながら向附・白楽梅形を使う。

赤楽梅形もあるので紅梅白梅で交互に使いたい。

盛り込む一品は、白えびの湯葉巻。

程よい塩梅の延楽特製の煎り酒でいただく。

合わせる酒は、千代鶴酒造の恵田。

節分と立春大吉

節分の翌日に迎える立春は、冬から春に移る季節の変わり目。

旧暦では1年の始まりで二十四節気の始まりでもあり、あらゆる節日の基準日。

二百十日は、おわら風の盆でお馴染みで、立春から数えると9月1日にあたる。

おわらの歌詞に「八尾よいとこ おわらの本場 <キタサノサードッコイサノサ> 二百十日を オワラ 出て踊る」とある。

八十八夜も同様で、暦に記して農作業の目安とした。

七十二侯の始まりは、立春の初侯「東風解氷(はるかぜ、こおりをとく)」。

東から温かい風が吹き始め、張り詰めていた氷を解かし始める頃という意味。

春の兆しが少しずつ現れ始める。

まさに立春大吉。

延楽には節分と立春に使う七寸皿がある。

鬼の角は、皿の中に描かれているが、顔は皿の外側に描かれていて福は内側に描かれている。

節分は、季節の変わり目の邪気払いである。