深山繁縷(ミヤマハコベ) ナデシコ科

<サワハコベよりも花弁の切れ込みが深い>

深山繁縷(ミヤマハコベ)は、宇奈月の山地の湿った林内や、谷沿いなどの湿り気のある場所に自生するナデシコ科の多年草です。 沢繁縷と似た場所に生えることがあります。

茎は叢生して分岐して斜上します。下部は地を這って広がります。葉は対生し、葉身は卵形から心形で、先端は鋭形になっています。基部はやや心形で長さ1.5cmになる葉柄があり、長い軟毛が生えています。

花は1個が上部の葉脈につき、無柄または細長い有毛の花柄の先につきます。花は、白色の5個の花弁が2深裂して、10個の花弁に見えますので、沢繁縷との違いがよくわかります。

上溝桜(ウワミズザクラ) バラ科

<甘い香りを漂わす上溝桜>

上溝桜(ウワミズザクラ)は、宇奈月の山野に自生するバラ科の落葉高木です。高さは10~20mになります。

葉は桜の葉と同様で楕円形で先が細くなり、縁には鋸歯があります。木肌は桜と全く同じです。開花は5月の初旬、新枝の先の長い花序に小白花を多数つけるので白いブラシのように見えます。辺り一面に甘い匂いを漂わせ、遠くから見ると雪が積もったように見えます。

果実は初夏の頃に赤くなり、やがて黒く熟します。この実を狙って野猿達が集まり、絶好の餌となります。

沢繁縷(サワハコベ) ナデシコ科

<花弁の先端に切れ込みが入る>

繁縷(サワハコベ)は、宇奈月の山地の落葉樹林内に生えるナデシコ科の多年草です。

茎の上部は斜上して分岐し、下部は地を這ってひげ根を出し群落を作ります。葉に葉柄があり三角状卵型で、先端は鋭形になっています。花は先端で単生し、白色の5個の花弁は2中裂しています。カタクリの花が終わると一斉に咲き始めます。

春の七草のハコベは花弁の切れ込みが深く、10個の花弁に見えるので違いがよくわかります。沢繁縷も樹林内の木々の葉が広がり陽光が弱くなる頃、消えてしまうるスプリング・エフェメラルの仲間です。

坪菫(ツボスミレ) スミレ科

<白い小さな清楚な花は坪菫>

坪菫(ツボスミレ)は、宇奈月の山の木陰に生えるスミレ科の多年草で小型なのであまり目立たない花です。

 地下茎は短く、地上に根出葉と複数の茎をのばし、長さは5cmから20cmで低く、周りの草の陰になります。 葉は、丸く円心形で先が尖り、きれいなハート型になります。

花は地上茎の葉腋からでて、花柄は立ち上がり、葉より少し上に出て花をつけます。白色の花弁の上弁は反り返り下弁には基部に向けて深紫の筋が入ります。

姫空木(ヒメウツギ) ユキノシタ科

<小形の空木>

姫空木(ヒメウツギ)は、宇奈月の日当たりのよい岩間や谷川沿いに自生するユキノシタ科の落葉低木です。

高さは1m内外で、枝はよく分岐して弓状に曲がり、若枝は無毛です。葉は単葉で対生し有柄で長楕円状披針形。先は尖り細い鋸歯があります。空木(ウツギ)と比べると下面はほとんど無毛で、質は薄くて滑らかです。新梢の先に総状花序をつけ、小さな白花を多数開きます。

空木(ウツギ)に似て、小形であるのことが和名の由来となっています。空木(ウツギ)よりも早く開花します。

春紫菀(ハルジオン) キク科

<日当たりのよい荒れ地に群生している>

春紫菀(ハルジオン)は、宇奈月の道端や空き地等の窒素分の多い場所に群生するキク科の多年草です。北アメリカ原産の帰化植物で、全国各地で雑草化しています。

茎の高さは30cmから80cmぐらいで、あまり分岐せずに直立しています。根元には篦型の根出葉があり、花の時期にも残ります。茎葉の基部は耳状に張り出して茎を抱きます。頭花は舌状花は白色あるいは淡紅色で、筒状花は黄色で長径2㎝ぐらいです。蕾の時は、花序全体が下向きです。よく似たヒメジオンは、茎がより高く茎は空洞になっていません。蕾は下向きにならないです。

山吹(ヤマブキ) バラ科

<黄金色の山吹は周りを華やかにする>

山吹(ヤマブキ)は、宇奈月谷沿いに群生するバラ科の落葉低木です。幹は叢生し広がっていきます。

葉は、2列に互生して卵形で二重鋸歯があります。花弁は黄金色で5個から8個あり平開します。山吹は、どんな花とも相性がよく、生けやすい花です。付近には棘のある紅葉苺も自生しています。どちらもバラ科なので枝や葉がよく似ています。

芍(シャク) セリ科

<外側の2枚の花弁が大きい>

杓(シャク)は、宇奈月の山地の湿ったところに生えるセリ科の多年草です。

茎は細く、全体に繊細な感じで直立し、上部で分岐して高さは70cmから150cmになります。葉は互生し、長い柄があり2回3出羽状複葉です。小葉は披針形で先端は鋭く尖り、細裂して裏面葉脈上に毛があります。

花期は4月から5月で、茎頂か分岐した先端に複数形花序を付けます。花は5弁花で白色、花序の外側の花の2弁花が大きいのが特徴です。

大型のセリ科の中で、春に花が咲くのはシャクとハナウドだけです。

大立坪菫(オオタチツボスミレ) スミレ科

<林縁にひっそりと咲く菫>

大立坪菫(オオタチツボスミレ)は、宇奈月の山の木陰や林内に生えるスミレ科の多年草です。

豪雪地帯に多く見られるスミレで、茎は地下茎から多数出て長さ20cmから40cmぐらいになります。 葉は、円心形で大きくて先が尖らないのでタチツボスミレと区別ができます。 花は地上茎の葉腋からでて長い柄があり淡紫色で可憐に開花します。

花が終わる初夏には小さな蕾のように見える閉鎖花を出し果実を作ります 。

三葉躑躅(ミツバツツジ) ツツジ科

<黒部峡谷の断崖に咲く三葉躑躅>

三葉躑躅(ミツバツツジ)は、黒部峡谷の岩場や痩せた尾根に自生するツツジ科の落葉低木です。

4月から5月にかけて峡谷や山の岩場を美しく彩ります。 枝は車状に出て、枝先の混芽から2、3個の紅赤色の花を付け、葉は後にでます。花冠は、深く5裂し雄蕊は5個なのに対して、一般の躑躅は10本なので見分けがつきやすいです。 花が終ると枝先に3枚の葉が輪生するところからこの名が付きました。

早朝ウォークのコースの中で、山彦鉄橋を渡りきると岩場の上部で花を見かけます。新緑の中に紅をさす色合いは、春ならではの光景です。