色絵露草団扇形皿

<蛍が飛び交う>

宇奈月公園のせせらぎで、蛍が飛び交うようになりました。6月中旬から大きな源氏蛍が現れ、7月中旬から形のやや小さな平家蛍が現れます。夏の暑さが本格的になると夏野菜がおいしくなります。雅膳の滞の在料理の一皿は、夏野菜の揚物です。

季節の器は、「色絵露草団扇形皿」です。緑釉の濃淡で巧みにつゆ草を描いています。揚物を食べ終わると器に蛍が現れます。

陶芸家・釋永由紀夫

<お茶室での作品展示>

釋永由紀夫さんは、越中瀬戸焼の陶芸家で、備前の金重素山に師事して茶陶を学び、林屋晴三の教示を受けます。朝鮮半島の窯をよく訪ねられ、陶芸の研究と陶芸家の交流も図っておられます。

窯は越中瀬戸・庄楽窯で、富山県中新川郡立山町上末の静かな高台の田園地帯にあります。 上末(うわずえ)の地は、良質な白土が採れるので、その歴史は古く奈良、平安時代に須恵器が焼かれた古窯が築かれた所です。釈永さんの説明によれば地名の上末は、元は上須恵であったようです。

延楽には、釋永さんの作品展示コーナーが設けられております。米アップル創業者の故スティーブ・ジョブズ氏が好んだ陶芸家としても知られているところです。

仁清写し百合形向付

<翡翠茄子>

宇奈月温泉の山道を歩くと、芳醇な香りが漂ってきます。笹百合の開花です。6~7月ごろ淡いピンク色の花を咲かせます。野々村仁清はこれを形どって器を作ります。本歌は野村美術館と根津美術館に収蔵されています。

雅膳の一皿は、「仁清写し百合形向付」です。初夏の風を器で感じながらお料理を味わってください。

着彩丸紋繋山水向付

<丸紋繋ぎの図案>

7月1日から始まる祇園祭の頃に鱧は旬を迎え、脂が乗って美味しくなります。鱧は梅雨の水を飲んで育つと言われていますが、今年はすでに梅雨が明けました。雅膳の焜炉は、鱧鍋です。

季節のうつわは「着彩丸紋繋山水向付」です。呉須と赤絵の山水丸紋繋ぎです。

青瓷花刻小鉢

<焼鮎の煮凍り>

黒部川では鮎釣のシーズンを迎えました。雅膳の滞在料理の小附は、焼鮎の煮凍りです。焼鮎の香ばしい身を、鮎の出汁を固める涼やかな一品です。

季節の器は、「青瓷花刻小鉢」です。高麗青磁の特徴である花の象嵌が施してあります。

赤地金襴手宝相華唐草文

<宝相華唐草文が焼き付けられている>

雅膳の千代口は、蓴菜(じゅんさい)の酢の物です。ぬめりのある食感は、初夏を感じる爽やかな一品です。蓴菜は、水のきれいな沼の底に根を張り、水面に葉を浮かべるスイレン科の浮葉植物です。若い茎や葉は粘液質を分泌し、これで覆われた若芽を食材とします。

季節のうつわは「赤地金襴手宝相華唐草文」で、永楽妙全の作です。赤地金襴手とは、金彩色絵磁器のことです。赤の地釉を使い、金泥や金箔を宝相華や唐草文などに切り貼り、それを焼き付けた器です。着物の金襴に似ているところから金襴手と呼ばれるようになりました。

地釉の別によって、五彩(赤絵)に金彩を加えた、赤絵金襴手、赤を地釉に用いた赤地金襴手、瑠璃釉上に金彩を加えた瑠璃地金襴手、その他萌黄地金襴手、黄地金襴手、白地金襴手などがあります。

色絵波絵向付

<鱧の湯引き>

一年で一番日が長い夏至を過ぎると、夏に向かって暑さが増していきます。7月1日から始まる祇園祭のころに鱧は旬を迎えます。梅肉を添えて牡丹鱧でお召し上がりください。

季節の器は、「色絵波絵向付」です。夏に向かっての器です。

織部水玉紋蓋向

<落ち着いた水玉紋>

梅雨明けが待ち遠しい日が続きます。織部釉をちらした蓋物が、爽やかさを醸し出します。今年は梅雨入りしてからまとまった雨が降っておりません。今週も曇りのち雨の日が続きます。七夕を過ぎた頃が梅雨明けとなります。

梅雨時の南風は黒南風(くろはえ)梅雨明け頃の南風は白南風(しらはえ)と呼びます。空が黒から白の変わると梅雨明けです。

雅膳の季節のうつわは「織部水玉紋蓋向」です。水玉紋が梅雨明けにふさわしく、器が落ち着いて美しく見えます。

木葉形硝子皿

<初夏の旬魚>

富山湾の初夏の旬魚が水揚げされるようになりました。匠膳のお造りです。本日は栄螺、太刀魚、のど黒、富山海老です。

季節の器は、「木葉形硝子皿」です。葉の葉脈も巧みに表現されています。北欧で作られた硝子皿です。

手吹渦文硝子尺皿

<夏が旬の岩牡蠣>

富山湾の夏の風物詩、岩牡蠣が獲れだしました。水中にもぐって1個づつ取ります。雅膳の一皿は、岩牡蠣です。ポン酢で召し上がっていただきます。生が苦手な方は、焼きか蒸しにします。合わせる地酒は、「満寿泉・純米大吟醸」です。しっかりとした味わいの大吟醸です。

季節の器は、「手吹渦文硝子尺皿」です。吹きガラスで、手吹きで形を整えます。白い渦文が良く出ています。