色絵手毬絵向付

<手毬の柄がすべて違う>

上巳の節句はもうすぐです。雅膳の一皿は、酢の物で津合蟹の身抜きです。
季節のうつわは「色絵手毬絵向付」です。
手毬に使われる絹ならではの美しい光沢を、器の上では金彩であらわしています。
加賀藩では、娘が嫁ぐときに手縫いの毬を魔除けとして持たせる習慣がありました。毬の中に鈴が入っていて、良くなるという掛詞で縁起物とされていました。
加賀手毬は、群青、金茶、朱赤の三色を用いた伝統的な模様を守っています。