木五倍子(キブシ) キブシ科

<早春の宇奈月谷で開花するキブシ>

木五倍子(キブシ)は、早春の宇奈月谷でよく見かけるキブシ科の雌雄異株の落葉低木です。藤のような花序に黄花が付くので黄藤(キフジ)ともいいます。

前年の秋に枝の葉腋から総状花序をたらし、出葉前の下旬ごろに一面に開花します。花は鐘形で雄花は淡黄色で雌花はやや緑色を帯びています。和名は、秋に熟す緑黄色の果実を染料の原料である五倍子(フシ)の代用として使ったことに由来します。早朝、山歩きをすると木々の芽吹きに出会い、自然の息吹を感じることができます。

色絵桜透向付

<春野菜の焚き合わせ>

富山湾でホタルイカ漁が最盛期を迎えると、宇奈月の山では、雪解けの大地から山菜が顔を出します。早春の恵みです。春野菜の焚き合わせの中にウルイ、ウド、筍等などの山菜が加わります。春の香りをお楽しみください。

季節のうつわは「色絵桜透向付」で、江戸後期の京焼の名工である仁阿弥道八の「色絵桜樹図透鉢」の写しです。匠に配された透かしは絶妙に満開の桜の空間を作り出します。
道八も乾山焼に倣っています。器でも桜の季節が味わえます。