唐糸草(カライトソウ) バラ科

<高山帯に咲く紅色の唐糸草>

唐糸草(カライトクサ)は、宇奈月の高山帯に生える、バラ科の多年草です。茎の高さは、40~80cmで直立して、上部で分岐し、葉はまばらに付きます。

根出葉の小葉は9~13個で、下面は少し白色を帯び鋸歯があります。茎葉は小形で毛があります。枝先に大形の紅紫色の穂状花序をつけて垂れ下がる。花弁がなく長い糸状の花糸は紅紫色で美しい。

唐糸は絹糸のことで、長く伸びた花糸が絹糸のように美しいので、名前の由来となりました。

横笛型、兎丸型・珍味入れ

<秋の旬彩>

 秋の酒菜を彩りよく竹籠に盛り込みました。黒部の山の珍味と富山湾の海の珍味を盛沢山に取り揃えました。

秋の酒といえば「ひやおろし」です。黒部峡のひやおろしがおすすめです。新酒に火入れをして、ひと夏、蔵の中で寝かすとコクのある味わいになります。ぬる燗でゆっくりと味わって下さい。

季節の器は、 「横笛型珍味入」と「兎丸型珍味入」です。秋の夜長をお付き合いします。

鶺鴒鳴(せきれいなく)

<旧山彦鉄橋:水辺の小径で見かける>

9月12日から七十二侯は「鶺鴒鳴(せきれいなく)」で、二十四節気の「白露」の次侯になります。季節は中秋で、鶺鴒が鳴き始める頃という意味です。ちなみに、今年の中秋の名月は9月21日です。

鶺鴒は、温泉街周辺で春から秋にかけて観察することができます。川沿いの小径や山道でチチッチチッと高い鳴き声を発して、長い尾をしきりに上下に振りながらまるで道案内をしてくれるかのように小走りに動きます。黒部の渓流沿いや宇奈月谷などの水辺に棲んでいます。

鶺鴒は、古くは日本神話の国産みの神聖な鳥として日本書紀に登場します。白い鶺鴒の季語は秋で、我が国では白というと雪を連想しますが、中国では五行思想により、白は秋の色とされています。

五行思想では四季の変化は、五行の推移によって起こると考えられ、方角や色などあらゆるものに五行が割り当てられます。春は青、夏は赤(朱)、秋は白、冬は黒(玄)。四季に対応する色と時を合わせてできた言葉が、青春、朱夏、白秋、玄冬である。北原白秋の雅号はこれにちなんでいます。

 

秋の麒麟草(アキノキリンソウ) キク科

<秋の野草では美しく黄金色になる>

秋の麒麟草(アキノキリンソウ)は、宇奈月の登山道沿いに群生する、キク科の多年草です。低山地から亜高山へと開花が移り、標高が高くなるに従って小形化してきます。

茎の高さは、40~80cmで直立し、細くて強いです。葉は披針形で互生します。茎頂に散房又は総状に、多数の黄色の頭花を付けます。総苞は筒状で総苞片は4列です。和名の由来は、秋に咲く麒麟草のようであるところからきています。

金彩乱菊蓋向

<菊の花弁は金彩一色>

和食は世界文化遺産に登録されてから、海外のお客様から注目を集めています。料理に使われる食材や器に対する期待も、年々高まります。器も、染付を中心に磁彩、陶彩、赤絵などが人気があります。とりわけ金彩は人気が高いです。

雅膳の一皿は「金彩乱菊蓋向」です。菊の花びらを金彩で施してあります。とても華やかな器です。重陽の節句は菊を食します。

立薊(タチアザミ) キク科

<大形のアザミ>

立薊(タチアザミ)は、宇奈月の日当たりのよい林縁に生える、キク科の多年草です。北海道や本州の日本海側に広く分布します。

茎の高さは、1~2mになる大形の薊です。茎葉は長楕円形で、基部は半ば茎を抱いて互生しています。

茎の上部で、分岐した枝先に淡紅紫色の頭花を上向きに1~3個開きます。頭状花序は筒状花のみで構成されています。

山母子(ヤマハハコ) キク科

<母子草よりも葉が細い>

山母子(ヤマハハコ)は、宇奈月の亜高山に生えるキク科の多年草で、雌雄異株です。

茎は、高さ30~70cmとなり、白い綿毛で覆われています。葉は細長い披針形で互生し、葉の裏には白色か淡褐色の綿毛が密生します。

花は8~9月に開花し、白色の筒状花からなる頭状花が、散房状に集まります。白い花弁に見えるところは総苞片で、小花は淡黄色です。

色絵白菊向付

<重陽のお造り>

9月9日は、重陽の節句です。重陽の節句は平安の初めに中国より伝わりました。古来中国では、奇数は縁起が良い陽数で、陽数の最大値である9が重なる9月9日を「重陽」と呼び、節句の1つとしました。

菊は、仙境に咲く霊薬として、邪気を払い長寿の効能があるといわれていました。別名「菊の節句」とも呼ばれ、菊を身近に感じる日でもあります。

9月7日から二十四節気の白露に入り、秋めいてまいりました。富山湾の魚介類が一段と身がしまり、味も濃くなります。匠膳のお造りです。

季節の器は、「色絵白菊向付」です。菊を愛でる「観菊の宴」もいいかもしれません。お酒は、ひやおろしのぬるめの燗がおすすめです。

釣舟草(ツリフネソウ) ツリフネソウ科

<深山に咲く、赤紫色の艶やかな花>

釣船草(ツリフネソウ)は、宇奈月の山中の木陰の湿った所に自生するツリフネソウ科の一年草です。

茎は、多汁質で瑞々しく直立してよく分岐し帯赤色で節が太くなります。 葉は、広皮針形で先は尖り細かい鋸歯がつきます。 夏から秋に茎の上部から細長い花序が伸び総状花序となり、それぞれ数個の花を付けます。 赤紫色の花は小花柄をもち基部には小さな苞をつけます。 花の形が船がぶら下がっているような形なのでこの名前がつきました。

果実は、触ると勢いよく飛び1年草の種族を増やす工夫がなされています。 秋の朝露に濡れた紅紫色の花は、静まりかえる深山にひときわ艶やかな色彩を呈しています。

色絵菊絵小判形向付

<重陽の節句の器>

重陽の節句には、菊を愛でる器を使います。双方に描かれた大輪の菊花は宴に華を添えます。揚げ物は蓮餅です。

季節の器は、「色絵菊絵小判形向付」です。菊をあしらった器は数多くありますが、どれも美しく収まります。