深山繁縷(ミヤマハコベ)は、宇奈月の山地の湿った林内や、谷沿いなどの湿り気のある場所に自生するナデシコ科の多年草です。 沢繁縷と似た場所に生えることがあります。
茎は叢生して分岐して斜上します。下部は地を這って広がります。葉は対生し、葉身は卵形から心形で、先端は鋭形になっています。基部はやや心形で長さ1.5cmになる葉柄があり、長い軟毛が生えています。
花は1個が上部の葉脈につき、無柄または細長い有毛の花柄の先につきます。花は、白色の5個の花弁が2深裂して、10個の花弁に見えますので、沢繁縷との違いがよくわかります。
2024年5月
金鳳花(キンポゲ) キンポウゲ科
金鳳花(キンポウゲ)は、宇奈月の日当たりのいい平地に生えるキンポウゲ科の多年草です。 花は高さ50cmぐらいの花茎を出し、頂部で分岐して各枝端に1個の黄色の5弁花をつけます。
花弁は、光沢を持ち黄金色に輝くところから和名の由来となっています。広く群生するので、風が通るたびに黄金色に波打ちます。
葉は根出葉で長い葉柄があり、掌状に深く裂け各裂片は粗い鋸歯状になっていて、キンポウゲ科の植物の特徴が出ています。 キンポウゲ科の植物は、花が美しいので観賞用に栽培されますが、アルカロイドを含む有毒植物が多く含まれとぃますので注意が必要です。
蛙始鳴(かわずはじめてなく)
5月5日から二十四節気は「立夏」に入り、暦の上では夏となります。早朝の宇奈月温泉に吹く川風は、少し冷たさを含んでいます。雪を纏った山々と麓の新緑が最も美しい季節となりました。これから柔らかな春の陽射しが少しずつ力強くなり、夏へと向います。
七十二侯は「蛙始鳴(かわずはじめなく)」で、二十四節気「立夏」の初侯にあたります。田圃でカエルが鳴き始める頃という意味です。雪解け水が流れる黒部川の浅瀬からは時折、河鹿の鳴き声が瀬音とともに心地よく伝わるようになりました。初夏の気配です。
河鹿は、清流が流れる石と石の間を住処にしている蛙です。高く澄んだ鳴き声が鹿に似ているところから、河鹿と呼ばれるようになりました。
黒部峡谷鉄道は、黒部の山々の残雪と柔らかな新緑の彩を愛でながら、深く切り立った黒部峡谷に沿って走ります。生命の息吹が感じられる新緑で心身ともに癒され、森羅万象、緑、緑の世界が味わえます。