黒部市の生地漁港には、大物の「のど黒」が水揚げされています。大きな網目の刺し網漁なので、脂ののった大物だけが獲れます。のど黒の美味しさを追求した「のど黒膳」の一皿は、焼物です。その他、お造り、しゃぶしゃぶも味わえます。
お薦めの地酒は、千代鶴酒造の「恵田」です。重みのあるしっかりとした味わいなので、脂ののった「のど黒」に合います。富山県が生み出した酒米「富の香」を使用しています。不思議な香りをお楽しみください。
季節のうつわは、「色絵綾目絵楕円皿」です。綾目の大胆な構図が料理を引き立てます。
2024年5月
蝮蛇草(マムシグサ) サトイモ科
蝮蛇草(マムシグサ)は、宇奈月の山林内や、宇奈月大原台等の草原に自生するサトイモ科の多年草です。
葉は鳥足状に分かれ、小葉は長楕円形で波打っているようで、先は尖り基部も細くなります。中央の茎は偽茎で、葉の基部が合わさって刀の鞘のようになっているところは葉鞘(ようしょう)と呼ばれています。茎頂には仏像の背中の炎のような形をした仏炎苞と呼ばれる花を包む苞があり、紫色の条が入ります。座禅草で紹介した苞で、水芭蕉も同様な苞があります。
蝮蛇草は雌雄異株で、筒のようになった白い苞の合わせ目に、小さな穴があいているものは雄花です。一方、雌花は穴がありません。これは雄花から花粉を付けて出てきた昆虫に受粉させるため、逃げ出せないようになっていると考えられています。受粉した花は、秋には真っ赤な実を葡萄状につけます。
宇奈月温泉スノーパークの斜面にスギナが群生します。その中に蕨(ワラビ)と蝮蛇草が混在し、鎌首を持ちあげた蝮蛇のような疑似に驚かされます。